2022年3月4日
3月9日(水)開催『サントリーホール オペラ・アカデミー オペラティック・コンサート』出演者紹介&メッセージ
3月9日(水)「サントリーホール オペラ・アカデミー オペラティック・コンサート」に出演する4名の歌手をメッセージとともにご紹介します。
この「オペラティック・コンサート」では、アドバンスト・コース第5期生を中心とした現役生4名の歌手がそれぞれの声に適したオペラの役を勉強できるよう、日頃指導を受けているコーチング・ファカルティやアカデミー修了生の助演のもとに、アンサンブルを中心としたオペラの名場面を抜粋でお届けします。本アカデミー公演ではおなじみの朝岡聡による軽妙なナビゲートとともに、モーツァルト、ロッシーニ、プッチーニと、本アカデミーにとって主要なレパートリーとなるオペラ作曲家の代表作を一晩でお楽しみいただきます。これまでのオペラ公演でも高い評価をいただいてきた本アカデミーメンバーならではの精緻なアンサンブルや現役生のアリアにどうぞご期待ください。
■岡 莉々香(ソプラノ、アドバンスト・コース第5期生)
「私が今回演じるスザンナは、モーツァルトの有名なオペラ『フィガロの結婚』に登場する伯爵夫人付きの侍女でフィガロの婚約者です。彼女は非常に聡明で常に色々なことにアンテナを張っており、コロコロと話題や表情が変わっていくのがとてもチャーミングなキャラクターです。稽古が始まった頃は右も左も分からず、技術的なことはもちろん声や身体の表現などたくさんのことを、サッバティーニ先生をはじめファカルティの先生方やオペラ演出家の田口道子さんにご指導いただきました。まだまだ本番までスザンナと共に試行錯誤してまいります!そして今回は、第2幕より抜粋したシーンを素晴らしい共演者の方々とお届けいたします。このご時世ならではの演出があるかも…!?しれませんのでぜひそちらもお楽しみに!」
東京都立総合芸術高等学校(旧都立芸術高等学校)音楽科、愛知県立芸術大学音楽学部声楽専攻卒業。これまでに声楽を坂本秀明、佐竹由美、中江早希、甚目裕夫に師事。第7回横浜国際音楽コンクール第1位、ならびにヤングアーティスト賞受賞。第6回東京国際声楽コンクール第4位。平成30年度山田貞夫音楽財団奨学生。同年度、第51回愛知県立芸術大学定期演奏会、第50回愛知県立芸術大学卒業演奏会に選出され、独唱で出演。サントリーホール オペラ・アカデミー アドバンスト・コース第5期在籍中。
■石井基幾(テノール、アドバンスト・コース第5期生)
「ロッシーニ『オテロ』とプッチーニ『ラ・ボエーム』の2演目に出演いたします。『オテロ』ではタイトルロールを、『ラ・ボエーム』ではロドルフォ役を演じます。オテロは何にも恐れない強い人ですが、このシーンでは婚約者が裏切っていると嘘を吹き込まれ、怒り、絶望しているところから始まります。そこへ恋敵のロドリーゴが現れ、今度は婚約者(後の妻)のデズデモナまで現れてしまい…彼らはどうなってしまうのでしょうか?ロッシーニの音楽とは裏腹な3人の心情が組み合わさったハーモニー、テノール同士の壮絶な声の決闘もお楽しみいただければと思います! 『ラ・ボエーム』では第1幕でのお針子ミミとの出会い、そして第3幕の別れのシーンをたっぷりと楽しんでいただけるボリュームになっています。多くのオペラファンに愛される『ラ・ボエーム』の美味しいところを余すことなく聴いていただけるのではないでしょうか。ロドルフォの潑剌とした恋心や苦悩・葛藤を繊細に表現できればと思います。幕ごとの音楽のコントラスト、そして四重唱では2組の恋人たちのコントラストも楽しんでいただけたら幸いです!どちらの作品も精一杯努めます!」
東京藝術大学大学院修士課程修了。サントリーホール オペラ・アカデミー アドバンスト・コース第3期修了。第4回日光国際音楽祭声楽コンクール準大賞(第2位)、第30回宝塚ベガ音楽コンクール第2位。2020年3月にバリトンからテノールへ転向。これまでに神奈川フィル(指揮:大井剛史)、東京フィル(指揮:沼尻竜典)、関西フィル(指揮:佐々木新平)などと共演。幅広い声域を活かし、モーツァルトやシューベルトの宗教曲でソリストを務める。21年10月、サントリーホール フレッシュ・オペラ『ラ・トラヴィアータ』アルフレード役でテノール歌手としてオペラ・デビュー。サントリーホール オペラ・アカデミー アドバンスト・コース第5期在籍中。
■頓所里樹(テノール、プリマヴェーラ・コース第6期生)
「光栄なことにプリマヴェーラ・コース生としてオペラティック・コンサートに参加させていただけることになりました。ロッシーニ『オテロ』の三重唱でロドリーゴ役を演じます。今から緊張していますが、それ以上に今後自分のレパートリーにもなるロッシーニを歌えることがとても楽しみです。今回演奏する場面はオテロとロドリーゴの二重唱からはじまり、二人のテノールがロッシーニに特徴的なアジリタ(細かく速い音型)や高音をかわるがわる同じ旋律で競うように歌います。また、デズデモナが入って三重唱になると、繊細なア・カペラでのアンサンブルなども加わり、聴きどころのとても多い曲です。あまり演奏されることのない『オテロ』をアカデミー現役生ならではのフレッシュさや緊張感も含めて楽しんでいただければと思います。」
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、同大学院音楽研究科声楽専攻修士課程1年在学中。第67回全日本学生音楽コンクール北海道大会声楽部門高校の部第2位、第68回同大会第1位、全国大会入選。これまでに声楽を川原敦子、櫻田亮に師事。サントリーホール オペラ・アカデミー プリマヴェーラ・コース第5期を経て、同コース第6期在籍中。
■萩野久美子(ソプラノ、アドバンスト・コース第5期生)
「今回は初めてロッシーニのオペラに挑戦いたします。私が演じるデスデモナという女性は最後まで夫オテロを愛し、信じていました。アリアでは死んでしまった哀れな女性と自分を重ね合わせ、自分の死を予感しながらも、最後のお祈りのシーンではオテロにまだ愛されたいという気持ちと彼が慰めに来てくれるだろうという希望を歌います。これまでの稽古ではそんなデスデモナの心情とロッシーニの描く美しくも切なく悲しいフレーズを表現出来るよう勉強してきました。演奏される事の少ないこのオペラを少しでも多くの方に聴いていただきたいと思っています。」
滋賀県立石山高等学校音楽科、東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。同大学院音楽研究科声楽専攻修士課程2年在学中。大谷由美子、日紫喜恵美、佐々木典子、櫻田亮に師事。第23回滋賀県声楽コンクール第1位。モーツァルトやシューベルトの宗教曲などでソリストを務め、神奈川フィル、関西フィルと共演。オペラでは、モーツァルト『フィガロの結婚』スザンナ役およびバルバリーナ役、ドニゼッティ『愛の妙薬』アディーナ役を演じる。2019年度平和堂財団芸術奨励賞受賞。サントリーホール オペラ・アカデミー アドバンスト・コース第5期在籍中。