「サントリーホール アカデミー」トピックス

オペラ

2021年3月9日

「サントリーホール オペラ・アカデミー修了生によるオペラティック・コンサート」
3月18日開催 出演者紹介&メッセージ

3月18日公演に出演するオペラ・アカデミー修了生
2018年のオペラティック・コンサートより

3月に入り「サントリーホール オペラ・アカデミー修了生によるオペラティック・コンサート」の稽古が本格的にスタートしました。出演する7名の修了生歌手をメッセージとともにご紹介します。
修了生歌手たちは、共演するコーチング・ファカルティの増原英也さん(バリトン)、古藤田みゆきさん(ピアノ)のサポートのもと、様々な時代の名オペラから、アリアや重唱をたっぷりとお届けいたします。ナビゲーターは本アカデミー公演でおなじみの朝岡聡さんです。皆様どうぞご期待ください。

●保科瑠衣(第1期修了、ソプラノ)
「オペラ・アカデミーでは、歌の技術だけではなく様々なことを教えていただきました。アカデミー修了後の今でも、ファカルティの皆様からいただいた言葉やアドバイスが辛い時に壁を乗り越える助けになっています。今回歌うクレオパトラのアリア「この胸に命ある限り」は、私がアカデミーに入った時(10年前!)からイタリアで生活している現在もずっとレパートリーとして大事に歌っているアリアです。アカデミー、そしてイタリアで学んだことなど、10年分の成長をお見せできるように歌いたいと思います。」

保科瑠衣さんはアカデミー修了後、イタリアのパルマで研鑽を積み、2019年にはヴェネツィア・フェニーチェ劇場のシーズン公演に出演するなど、イタリア各地でコンサートや音楽祭に多数出演しています。バロック時代の作品を主なレパートリーとし、宗教音楽のソリストとしても活躍しています。

●林 眞暎(第1期修了、メゾ・ソプラノ)
「アカデミーでは、オペラ歌手に必要なすべての基礎だけでなく、歌手一人ひとりに適した応用の仕方や、自分の意思でどう表現をし声をどう活かすか"考えること"を特に指導していただきました。今回私が歌う2つのアリアは、1曲目のヘンデルがカストラート、2曲目のロッシーニがコントラルトのために作曲されたもので、いずれも低音域から高音域まで縦横無尽に音が動き回る最大限に私の声を活かした曲です。アカデミーで見つけたこの個性を皆さんに聴いていただき楽しんでいただけたらうれしいです。」

林眞暎さんはアカデミー修了後すぐにイタリアのミラノに拠点を移し、ヨーロッパを中心に様々なオペラに出演と、幅広いレパートリーで活躍しています。今年10月には、サントリーホール ホール・オペラ『ラ・トラヴィアータ(椿姫)』にフローラ役で出演を予定しています。

●迫田美帆(第2期修了、ソプラノ)
「サントリーホール オペラ・アカデミーで学んだ4年間は、私にとって、会社員から歌い手へと人生を一変する大きな転機となりました。今回のコンサートで演奏するベッリーニ『海賊』のアリア は、表現、技巧、どちらに於いても高い技術を要する作品です。アカデミーで学んだことや、その後プロとして活動する中で培ったもの、全てを注ぎ込んで歌います!」

迫田美帆さんは2019年に藤原歌劇団公演『蝶々夫人』のタイトルロールに抜擢されて以来、同歌劇団の主要公演に出演。今年6月にはNISSAY OPERA 2021 『ラ・ボエーム』ミミ役での出演が決まるなど、着実にプリマドンナの道を歩み始めています。3月4日には東京文化会館の小ホールで自身初となるリサイタルを開催しました。

●大田原 瑶(第3期修了、ソプラノ)
「オペラ・アカデミーでは、今イタリアでより高度な勉強をするために必要なイタリア語や基本的なテクニックを徹底的に叩き込まれました。海外ではこのように根気強くゼロから勉強できる場は無いので、日本にいながらこのような経験ができた事が誇らしいです。今回は、留学先のパルマゆかりの作曲家であるヴェルディのオペラ『リゴレット』から「慕わしい人の名は」を歌わせていただきます。広場にある彼の銅像に恥じぬよう、精一杯歌わせていただきます!」

大田原瑶さんはプリマヴェーラ・コース第2期から6年間アカデミーで学び、在籍中の2018年には第48回イタリア声楽コンコルソのミラノ大賞を受賞しました。現在はイタリア国立パルマ音楽院アッリーゴ・ボーイトに留学し、さらなる研鑽を積んでいます。

●金子 響(第3期修了、ソプラノ)
「発声や表現のテクニックはもちろんのこと、自分自身や一緒に勉強する友人、先生方の発声や演奏を耳を研ぎ澄ませて聴き、分析し、考えるということもあわせて鍛えていただきました。このアカデミーでの4年間の貴重な経験は、私の中核にあり続けています。今回演奏するバーンスタイン作曲『キャンディード』の「きらびやかに着飾って」は、有名な序曲のテーマが挿入されている、明るく楽しい大好きな曲のひとつです。演技にもぜひ注目してお聞きください!」

金子響さんは、2019年のサントリーホール オペラ・アカデミー公演『フィガロの結婚』でスザンナとバルバリーナの2役を好演、また20年の「港区&サントリーホール Enjoy! Musicプロジェクト」では、港区立小学校での事前授業を行うだけでなく、ソリストとして大ホールデビューを果たしました。

●細井暁子(第3期修了、メゾ・ソプラノ)
「私にとってサントリーホール オペラ・アカデミーは、発声について分析的に考えるきっかけを与えてくれた場所であり、この視点は長く歌っていくために非常に大きな財産、そして道標だと感じています。『皇帝ティートの慈悲』のセストは「友を殺したくない、でも愛されたい!でも…」と無限の葛藤に満ちています。最後には感情も理性も区別がつかなくなったかの様なアジリタを表現したいと思います!」

細井暁子さんは、2019年のサントリーホール オペラ・アカデミー公演『フィガロの結婚』で青年ケルビーノを熱演。また「港区&サントリーホール Enjoy! Musicプロジェクト」では、3年間にわたり得意のドイツ語を活かして、港区立小学校の事前授業でベートーヴェン「よろこびの歌」(第九)のドイツ語歌唱指導を行いました。

●石井基幾(第3期修了、テノール)
「大学と並行して学んだオペラ・アカデミーでの4年間の経験はどれもプロフェッショナルになるために必要不可欠で、歌の技術はもちろんですが、特に言葉を扱う大切さに気付かされました。バリトンからテノールへと転向したこれからも大事にして学びを続けていきます。今回のコンサートでは、2曲のアリアと2曲の重唱を演奏します。どの作品も大変有名で、とても難しく、とても美しく、聴きごたえのある曲ばかりです。このアカデミーならではの「オペラティック・コンサート」をお楽しみいただければ幸いです。精一杯頑張ります!ぜひ応援してください!」

本公演で唯一のテノール歌手、石井基幾さんはバリトン歌手として第3期修了、在籍中の2019年サントリーホール オペラ・アカデミー公演『フィガロの結婚』ではタイトルロールを演じるなど活躍していましたが、修了後にテノール歌手に転向。現在も引き続き本アカデミーで研鑽を積んでいます。その様子は先月、Webマガジン「ONTOMO」でご紹介いただきました。

2018年オペラティック・コンサートより ソプラノ:迫田美帆
ソプラノ:大田原 瑶
テノール:石井基幾 *出演当時はバリトン
ナビゲーター:朝岡 聡