人事部長メッセージ
グローバルな事業展開とターゲット層の幅広さが飲料ビジネスならではの魅力
井上淳 執行役員 人事部長 1987年入社
私たちが求める人材像の基本は、まず何より「誠実」であるということです。誠実さに欠ける人は、周りから信頼されず成長もできません。仕事をする上では、自らの使命を一つひとつ、誠意を持ってやり遂げることが大事。コミュニケーション力や対応力などいろんなものは、すべて誠実さがベースにあってこそ身についてくるものです。だからこそ面接では一番にそこを見ようと思っています。
その上で、物事の変化がますます激しくなるこれからの時代に向けて、「課題を探求する力」を備えた人が望ましいですね。現場に押し寄せる変化の波に対し、ただ指示を待っているだけの姿勢ではダメ。営業であれ商品開発であれ、好奇心を持って課題を発見し、最前線から物事を変えていこうとする気持ちがあれば、新たな価値を生み出す面白い発想が次々と湧いてくるものです。
私は入社して、最初に量販営業を5年間担当しました。当時は量販での施策に関する知見が社内になく、お得意先や他社の方がはるかに進んでいたため、専ら現場での他社事例や人的交流からノウハウを学び、自らの営業スタイルを組み立てていました。思えば大変でしたが、真っ白なキャンバスに絵を描くようで面白かったですね。若いながらも仕事は任せてもらえるし、持ち帰った知見を活かして様々な提案もできる。業績も右肩上がりで、営業の楽しさを満喫していました。
そんなある日、突然人事部へ異動になりました。営業の仕事が最高に楽しかっただけに、まさに青天の霹靂。「何で自分なんだろう?」「人事部でやっていけるのだろうか?」と、1年近く悶々とした日々を過ごしました。それでも労務担当として、労使で協議しながら人事制度改革の職務を果たしていくうちに、心境に変化が生まれました。仕事が面白くなってきたのです。自分が良い制度を作ることで、社員のモチベーションが上がる。全社への貢献度も影響力も大きい仕事を任されたなと。その上営業という軸に加え、人事という第二の軸を持つことができました。今の私があるのは、あの時のキャリアチェンジのおかげです。自分の可能性なんて意外と自分では見えなくて、周りが引き出してくれることも多いもの。働く前からキャリアについて意識し過ぎることなく、若いうちはいろんな経験をしておく方がいいよと、私自身の貴重な体験も踏まえ皆さんにはお伝えしたいですね。
グローバル化、高齢化の進展などマーケットが大きく変化していく中、現場レベルで変えなければいけないことはこの先山程出てくるでしょう。そうした変化に対応し、会社が成長していくには若い発想が不可欠ですが、幸いサントリーグループには、「やってみなはれ」と若い人の背中を推す風土があります。私の若い頃も「やってみなはれ」の連続で、当時の既成概念を打ち壊すような提案をしては、周りに後押ししてもらったものです。新しい食文化を次々と生み出すことが私たちの仕事の本質ですから、新しいチャレンジを「楽しい」と思える人にこそ当社をめざしてほしいと願っています。
サントリーグループの中にあっても、とりわけ飲料ビジネスは、子供からお年寄りまで幅広い世代が対象であり、かつインターナショナルの名の下に広大な世界市場を相手にします。その際に大きな強みとなるのが、サントリーならではの商材の豊かさと品質の高さ。日本のモノづくりのレベルは海外とは比べ物にならないものがあり、そのすばらしさを世界中に広めていくやりがいと面白さが味わえます。
「世界70億人の人に幸せと笑顔を与えたい」、「大人になってもずっと心に残る飲み物を創り、届けたい」。これは新入社員が入社したときに語ってくれた思いです。この思いを形にしていけるよう、私たちと一緒に新しい食文化の発信元となって、グローバルに活躍してくれる人を待っています。