方形、被蓋造の硯箱で、蓋の稜を面取する。平目地に研出蒔絵で蓋表には洲浜に桐樹と竹を表し、蓋裏にも同様の意匠を描く。身の見込にも桐と竹の折枝を散らす。葉脈や樹のふしなどは描割を併用し、一部針描も用いている。桐樹や竹の文様表現などは、南北朝期の作例に類例が見られ、中世にさかのぼる貴重な硯箱とわかる。松江藩七代藩主松平治郷(不昧)の愛蔵品として、雲州蔵帳の上の部にも記載されている。(『サントリー美術館プレミアム・セレクション 新たなる美を求めて』サントリー美術館、2018年)
きりたけまきえすずりばこ
方形、被蓋造の硯箱で、蓋の稜を面取する。平目地に研出蒔絵で蓋表には洲浜に桐樹と竹を表し、蓋裏にも同様の意匠を描く。身の見込にも桐と竹の折枝を散らす。葉脈や樹のふしなどは描割を併用し、一部針描も用いている。桐樹や竹の文様表現などは、南北朝期の作例に類例が見られ、中世にさかのぼる貴重な硯箱とわかる。松江藩七代藩主松平治郷(不昧)の愛蔵品として、雲州蔵帳の上の部にも記載されている。(『サントリー美術館プレミアム・セレクション 新たなる美を求めて』サントリー美術館、2018年)
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