うめもん はい
江戸中期頃には、ガラスを素材とした盃や猪口が多く作られた。本作は、無色透明ガラスを梅の花文様を象った型に吹き込み、徐冷後裏側から彩色した盃。おそらく油彩で、不透明の紅色、黄土色、黄色で着色している。江戸期のガラスに彩色する場合、このようにまず型吹きの浮き出し文様部分に絵付けを施す方法が取られたらしい。これと同様の絵付け方法で、笹に鯛が描かれた器の箱書きに、「寛政二庚戌年 五月 道中御用人相勤罷 登候節拝領」と書かれた例(神戸市立博物館蔵)がある。(『ガラスに描く、光と彩りの2000年―古代エジプトからグラス・アートまで』、サントリー美術館、2002年)
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