たかなわ うしまち おぼろづき の けい
1872年(明治5)年に新橋・横浜間に開通した鉄道は横浜浮世絵・開化絵でも取り上げられたように文明開化の象徴です。雲のわずかな間から朧月がのぞく空の下、煙を吹き出す蒸気機関車の窓には乗客のシルエットが浮かび、前景の水面には反射する車体が描かれました。機関車を描くにあたりアメリカの石版画を参考にした可能性が高いと指摘されています。多くの版が残り、高い人気のあった作品のひとつです。(『リニューアル・オープン記念展Ⅲ 美を結ぶ、美をひらく。』、サントリー美術館、2020年)
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