とうきょう しんが めいしょ ずかい あかさか きのくにさか
探景と号した小林清親門下の井上安治(1864~89)は、師が光線画から離れた後もその画風を継承し、26歳で夭折するまで光と影の抒情的な作品を数多く残している。『東京真画名所図解』は絵葉書や写真を思わせるサイズの光線画のシリーズで、安治の代表作である。 本図の紀伊国坂とは西側に紀州藩徳川家の屋敷があったことに由来する。画面には、文明開化の象徴である電線がのび、瓦斯灯や人力車が小さく描かれる。(『激動の時代 幕末明治の絵師たち』、サントリー美術館、2023年)
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