とうかいどう ごじゅうさんつぎ れいしょばん
揃物名が隷書体で書かれるため隷書版と呼ばれる東海道シリーズのうち、《戸塚》は戸塚宿の西にある大阪を描いた作品です。傾斜の厳しい坂には松並木が続き、旅人や馬が歩を進めています。遠景になるほど人物は小さく表わされ、奥行きのある構図です。右方には丹波山と雪を被った富士の景が広がっています。《水口》は、晴れやかな空の下、牛をひく人物がゆるやかな山道を進んでいます。水口宿近くの美しい松の名所であった平松の美松山が舞台です。透明感のある青空に浮かぶ雲は輪郭線を用いず、西洋銅版画のような緻密な描写です。山々は色調を変化させ立体感と画面に奥行きを演出しています。穏やかな風景が表わされる本図は、じっと画面を見つめていると絵の中に吸い込まれるかのような、不思議な魅力をもつ作品です。(『リニューアル・オープン記念展Ⅲ 美を結ぶ、美をひらく。』、サントリー美術館、2020年)
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