はすしたえ ひゃくにんいっしゅ わかかん だんかん
色変わり料紙に俵屋宗達が蓮を描き、『小倉百人一首』を本阿弥光悦が書写した作品である。本来は金泥の濃淡を巧みに用いて浮葉から破れ蓮までの、蕾を伸ばし花が咲き、花が散るに至る蓮の一生を全長二十五メートルに及ぶ長巻に描いたものであった。しかし、途中で分断されて一部は関東大震災の折に焼失し、残りの部分が現在東京国立博物館、MIHO MUSEUMなど諸所に分蔵されている。本作品は蕾や満開の蓮の花を合わせ描く印象的な場面にあたり、これから盛りを迎える蓮を表わしている。この断簡には西行法師の「嘆けとて月やはものをおもはするかこちかほなる我涙かな」と、寂蓮法師の「村雨の露もまだひぬ槇の葉に霧たち上る秋の夕暮」の和歌が光悦の書で記されており、宗達と光悦による数多い合作の中でも、最も優れた作例のひとつとして貴重である。(『「もののあはれ」と日本の美』、サントリー美術館、2013年)
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