げんじものがたりず びょうぶ
『源氏物語』の各帖一場面が各扇に四図ないし五図ずつ、計五十四図配された六曲一双の屛風であり、場面の配置は帖の序列を誤ったところが二箇所あるが、右隻右上よりおおむね物語の順を追っている。画面を網のように覆う金雲によって区切られた各小画面には、それぞれ一図の独立した精巧な源氏絵が描かれる。その多くは浄土寺所蔵の《源氏物語絵扇面散屛風》や京都・藤岡家に所蔵される《扇面画五十四面》、また土佐光吉ほか筆《源氏物語画帖》(京都国立博物館蔵)などの作例と図様が共通しており、土佐派によって小画面細密画に定型化された源氏絵の図様伝統をそのまま屛風画面に踏襲していることがわかる。一方、やや硬い描線による人物表現や樹木の描き方などには元和から寛永頃の狩野派系絵師が想定され、近世の源氏絵において流派の別なく図様が伝承されていたことをよく物語っている。(『「もののあはれ」と日本の美』、サントリー美術館、2013年)
作品名、作者名、制作地・様式などのキーワードで収蔵品の検索ができます
2024年 1月
2024年 2月
2024年 3月
2024年 4月
2024年 5月
2024年 6月
2024年 7月
2024年 8月
2024年 9月
2024年 10月
2024年 11月
2024年 12月
2025年 1月
2025年 2月
2025年 3月
2025年 4月
2025年 5月
2025年 6月
2025年 7月
2025年 8月
2025年 9月
2025年 10月
2025年 11月
2025年 12月