いせものがたり しきし はりまぜ びょうぶ
『伊勢物語』は、平安朝の歌人在原業平をめぐる恋物語を綴ったもので、古来より扇面や色紙、屛風などに数多く描かれた。本作品は『伊勢物語』の各段を絵画化した色紙を、朝顔棚を描いた六曲一双の屛風に貼り散らしたものである。金地濃彩のやまと絵による色紙が右隻に二十五図、左隻に二十四図、計四十九図貼付けされており、それぞれ金箔や金泥を施して、華やかに仕上げられている。その丹念な筆致や構図は室町時代の土佐派の画家の筆になるものと考えられる。嵯峨本の図様の大半が本作品と一致することから、嵯峨本の底本となっている可能性が指摘されている。下地となる屛風は、朝顔を藍色、葉を緑青、竹の棚を金泥で素地に描いており、全体の図様が連続しないことから改装を経たものと考えられ、当初は屏風と色紙は別々に制作されたことが推定される。(『「もののあはれ」と日本の美』、サントリー美術館、2013年)
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