じゅうにかげつ けいぶつ ずかん
月ごとの歌一首とその歌意を表わした彩色画一図を一組ずつまとめた月次歌絵。上巻は子の日の小松引きに始まり、山桜、卯花、苗代、時鳥、常夏に至る春から夏にかけての景物、下巻は秋草に鹿、重陽の宴、小鷹狩、紅葉、千鳥、雪笹の秋から冬にかけての景物が主題とされている。それらさまざまの行事や動植物がやまと絵の伝統に根ざした細やかな筆致で描かれ、余白の広さや全体各所に刷かれた金の霞は和歌の情趣と巧みに共鳴し合っている。各巻末に「畫所預正五位下藤原光芳」の署名と、白文方印「光芳之印」が捺され、絵は土佐光芳(1700-1772)の筆になるものとわかる。和歌は右大臣・近衛内前を初め、久我通兄、冷泉為村といった公家により詠まれたもので、「千代」「千歳」などの長寿を祝う吉祥句が詠み込まれている。本作は仙台藩主・伊達家の旧蔵品で、第五代藩主であった伊達吉村(1680-1752)の七十歳の慶賀に、吉村の子で第六代藩主となった伊達宗村(1718-1756)が贈ったものである。
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