ほうひ かっせん えまき
法師たちが腹にガスを溜め、放屁競べを繰り広げる奇想天外な絵巻。奥書とその書風より、伏見宮貞成親王(後崇光院、1372-1456)のもとで、平安時代の戯画が転写されたものと考えられる。朱扇を的にした最後の一戦に登場するのは、真打ちの尼公。画中詞で彼女は、お伽草子『福富草紙』で有名な放屁名人・高向秀武の娘だと自ら名乗るが、その台詞も後崇光院の筆による。古い戯画をもとに、新たな放屁譚が即興的に創案された可能性もあり面白い。(『サントリー美術館プレミアム・セレクション 新たなる美を求めて』サントリー美術館、2018年)
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