あめわかひこ ものがたり えまき
人身御供の要素を含んだ蛇と人の怪婚譚、天界譚や難題譚などの要素を含む恋愛物で、七夕伝説を題材とした物語。海龍王の天稚彦は、地上で長者の末娘と契りを結ぶが、やがて自分の本性をあかし天に戻る。娘はそのあとを追って天で天稚彦と再会する。そこで鬼である彦の父から難題をもちかけられるが、見事にこれをさばき二人は年に一度7月7日にだけ会うことを許されるというもの。本絵巻の祖本と考えられる土佐広周筆の一本(本作品の下巻に相当)が、ベルリン国立東洋美術館に収蔵されている。画風は温雅、緻密であり、色調も物語の内容にふさわしく、明るく清潔感がある。人物の描写も可憐で、親しみを感じさせる。御伽草子絵巻の中でも伝統的な大和絵の手法になる格調の高い画風であるが、これは原本が土佐広周筆とされることによるものであろう。(『絵巻小宇宙―絵の中に生きる人々―』、サントリー美術館、2000年)
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