たてる らふ
絵葉書よりも小さな画面の中には、花柄のカーテンに派手なカーペット、酒瓶らしきものが載ったテーブルのある部屋が描かれ、中央に豊満な体つきの裸婦が立っています。洋風のモチーフが表わされているにもかかわらす、女性の顔だけなぜか「こけし顔」です。 本作は洋画家・小出楢重(1887~1931)のガラス絵です。ガラス絵では、板ガラスの裏面に描かれた絵を表面からガラスを通して見るため、通常の油絵の言わば「逆再生」の手法で描かれます。本作の裸婦で言えば、最初に黒色でへそ、目鼻、髪を描いたあと、赤色で体のラインを描き、最後に肌の色が塗られているのです。カーテンの布地の部分に着彩せず、本物の布を透かし見せているのも、ガラス絵ならではの表現と言えましょう。 洋と和が混在した表現や逆再生の手法に、心がざわざわしてきませんか?(『サントリー美術館 開館60周年記念展 ざわつく日本美術』、サントリー美術館、2021年)
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