ゆうらくず
元は衝立であった画面を三幅対に仕立て直した遊楽図である。中央に扇を片手に舞い踊る女性を描くが、この時代の遊楽図に通例の三味線ではなく琴を置かれている点が注目される。足元には漆やガラス製とみなされる飲食器もみえるが、左下で煙草をくゆらせ、腹ばいで所を読む人々の描写などをみると、元々は邸内の座敷を想定して描いた絵に、金雲をたなびかせて野外の風景を補い足した可能性も指摘できる。舞う女性を取り囲むように眺める男女の着衣の描写も時代の様式に合わせて丹念に描き分けられており、一人一人の表情も気品を感じさせる。(『リニューアル・オープン記念展Ⅰ ART in LIFE, LIFE and BEAUTY』、サントリー美術館、2020年)
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