びじんず
湯上りの女が、浴衣を肩に懸けながら赤い湯文字の紐を締めているところ。上半身を露わにした姿は、絵を眺める男の視線に応えるものである。女はふと何かに気付いたように身体をよじっている。その視線の先では、衝立の絵の中の隠士が女を見上げており、女は呆気に取られている。絵師は絵を見る者の視線が、この隠士の視線に重なるよう仕組んだのであろう。肉身を描く線は単純で、肉体は平板である。隠士の脇で琴を抱える子どもに後ろを向かせたのは教育的配慮と言うべきか。西川祐信(1671-1750)は京都の浮世絵師で、多くの木版画、挿絵本を手がけるとともに、このような肉筆美人画の優品を残している。奥村政信・鈴木春信など江戸の浮世絵界に影響を与えた。(『西洋の美・日本の華 サントリーコレクション ―屛風・うるし・やきもの・南蛮美術・印象派・モダンアート』、サントリー美術館、2000年)
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