しじょうがわら ふうぞく ずかん
京都の四条通を寺町通の辻から東へ向かい、祇園御旅所から、高瀬川、鴨川を渡り、祇園社の西楼門から境内にいたるまでを、北側から見下ろすように描く。祇園社には桜が咲く春の景。現在も賑やかな京都の四条通の江戸前期の賑わいを生き生きと描いている。延宝(1688-1681年)頃の景観を元禄期(1688-1704年)に回顧的に描いたものと推定されている。熊や孔雀などの珍獣の見世物、曲芸、浄瑠璃の人形芝居など興味深い興行の数々が並ぶ中に、何軒もの茶屋が繁盛しており、数寄の茶の湯とは違う繁華街での日常的な茶の湯の様子を見ることができる。またうどん屋も描かれており、初期の料理屋の形として興味深い。酒屋の様子も描かれていると面白いのだが、酒屋は通の北側にしかないらしく、現在も継承される杉球、酒林が見えるだけである。白い切裂はうどん屋の看板らしい。三つの円を組み合わせた洲浜形はいくつかの茶屋の幕に見えるので、茶屋の印かも知れない。(『おもてなしの美 宴のしつらい』サントリー美術館、2010年)
作品名、作者名、制作地・様式などのキーワードで収蔵品の検索ができます
2024年 1月
2024年 2月
2024年 3月
2024年 4月
2024年 5月
2024年 6月
2024年 7月
2024年 8月
2024年 9月
2024年 10月
2024年 11月
2024年 12月
2025年 1月
2025年 2月
2025年 3月
2025年 4月
2025年 5月
2025年 6月
2025年 7月
2025年 8月
2025年 9月
2025年 10月
2025年 11月
2025年 12月