かき ふらんすぎく
ロレーヌ地方にまつわる十字を上下に連ねた複十字「ロレーヌ十字」と、ナンシーの象徴であるアザミを意匠としたフランス菊形の花器。二本の横棒をもつロレーヌ十字は、イエス・キリスト受難の十字架に由来する総主教十字の流れを汲むもので、ジャンヌ・ダルクの象徴でもあった。本格的にロレーヌにもたらされたのは、1473年にロレーヌ公となったルネ二世の頃という。彼は1477年、ナンシーの戦いにおいてフランス王国に敵対するブルゴーニュ公国を崩壊させたので、軍旗にあしらわれていた複十字はこの頃から「ロレーヌ十字」と呼ばれ、外国勢力や敵対勢力への抵抗を示すシンボルとなった。若くして普仏戦争に参加し、故郷をドイツに割譲されたガレは、愛国心の表われとして、しばしばロレーヌ十字やアザミを自身の器に取り入れている。この十字は、20世紀においては、対独レジスタンスや「自由フランス」の象徴としても使用された。(『オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ』、サントリー美術館、2016年)
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