いろえ にわとりず すずりばこ
蓋は隅に稜を立てた甲盛りとし、裏の合口内側に薄い桟を巡らせて印籠蓋造とし、裏中央に横一文字に幅広の桟を造り出す。底の四隅に半球形の脚を付ける。蓋表は周縁を赤の袈裟襷文で埋めて入角の窓を設け、中に睦まじい雌雄の鶏を描く。身の側面も袈裟襷文で埋める。蓋裏中央の長方形の黄色地に牡丹唐草を、その四方に赤で唐草を置き、見込四方の立ち上がりにも同様の唐草を描く。脚の外側に赤で半截花文を配す。染付は用いず、黒や赤の輪郭に赤・黄・緑・紫・黒に金彩を交えて図様を描く。蓋身の合口部、見込中央の硯を置く長方形部分と底面に、薄い黄色を塗る。(『日本のやきもの千二百年 奈良三彩から伊万里・鍋島・仁清・乾山』サントリー美術館、2001年)
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