いろえ かきもん つぼ
首はわずかに外へ開きつつ立ち上がり、大きく張り出した肩から急激にすぼまり、裾でわずかにくびれた壺。口には一部釉薬がかかっておらず、元は蓋を伴ったのではないかと考えられる。染付を用いず、暗い赤、黄、緑、黒を用いた上絵が施されている。口には、赤で紗綾形文を描き、肩には菊の折枝文様を帯状にぐるりと描く。胴には、花卉を描いた大きな窓絵が三つと、桐、藤、蔦を描き入れた小さな窓絵が三つ、交互に配置される。窓絵の外側は、赤い格子入りの七宝つなぎ文で埋められ、裾にはこまのように太い赤の縞文様がめぐっている。底面には、畳付以外のほぼ全体に釉薬がかかり、砂粒が付着する。海外輸出初期の色絵伊万里の例と考えられる。(『IMARI/伊万里 ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器』サントリー美術館ほか、2014年)
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