りょくゆう すいびょう
平安時代、施釉陶の中心が三彩から緑白の二彩、緑釉へと移る。本品は、口を端反りとして頸をほぼ垂直に立ち上げ、頸裾には低い突帯を巡らせて、肩を張って裾を細くすぼませる。緑釉は高台内に至るまで全面に掛かり、深い濃緑色を呈し微かに艶がある。低く削られた高台は精緻で優れた轆轤技を示すが、頸には僅かに歪みがある。仏具の金属製水瓶を写したものと思われるが、本品は簡略化が進んだのか肩に注口が付かない。把手と口縁が激しく欠損しており、祭祀などに用いられて故意に壊された可能性も考えられよう。(『日本のやきもの千二百年 奈良三彩から伊万里・鍋島・仁清・乾山』サントリー美術館、2001年)
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