みのがめ なみ もよう つつがき ふとんじ
鶴より長い齢をかさねるとされる亀も、吉祥文様として馴染みのもの。亀は地底にあり、天地を支えるといわれる。古代中国では東の海に不老不死の仙人が住む蓬莱山があると伝え、日本の中世には長寿の象徴である鶴亀や松竹梅も組み合わされて、代表的な吉祥文様となった。本作では、白上げで波間の亀を表しているが、亀の長寿を示すように、海藻が蓑のように付いた蓑亀のすがたで描かれている。蓑亀は長寿の亀の中でも年を経た特に長寿の亀であり、筒描作品に登場する亀の殆どが蓑亀である。(『筒描―幸を祈る藍、福を招く布』、サントリー美術館、2003年)
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