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コレクションデータベース

桐鳳凰模様筒描蒲団地

きり ほうおう もよう つつがき ふとんじ

数量・員数
一枚
形状・材質技法
木綿・筒描・藍染・色挿
寸法(単位cm)
縦177.5 横130.0
制作年代
明治~昭和時代   19~20世紀

 布地に米糊を置いて防染剤とし、染料の藍に浸けて模様を染め出した布団の鏡表。米糊を袋に入れ、口金から糊を絞り出すようにして模様を描くことから、筒引、糊引、糊描などの名称が付けられたが、筒描との名称が浸透してきている。また、同じく米糊を用い、糸目糊という繊細な細線で模様を描く友禅にも通じる技法であるため、総称的にこの呼称が用いられる。江戸時代中頃より木綿や染料の藍の生産が高まり、染色を生業とする紺屋が各地に出来たことで、庶民にも藍染による染色品が広まる。それまでの衣料素材は麻が中心であったが、木綿は保温性に富み肌触りが良く、また藍は虫除けとなるなど、良質な衣料素材として受け入れられる。しかし、木綿は麻に比べ高価であることから、その利用は特別な場合に限られる。婚礼の嫁入りに用意される布団、夜着、油単、風呂敷などが藍染筒描で誂えられた。その模様として、嫁ぎ先での豊かで幸福な暮らしを願い、吉祥模様が選ばれる。全国各地で作られ商品としての流通もあり、産地などの特定は難しいが、多く残る題材として「唐獅子に鳳凰」「牡丹唐草」が挙げられる。一般庶民の間にもこれらの題材が深く浸透していたことが知れる。鳳が雄、凰が雌を指すことから、一羽ずつ別にして二枚の組布団にする趣向も見られる。鳳凰の表現は天空にあり尾羽を拡げる姿が多く、布地全体を覆うかのようで、藍に染められた地の部分が僅かにしか残らない鏡表も見られる。(『不滅のシンボル 鳳凰と獅子』、サントリー美術館、2011年)

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