いろえ いえがた ちょうじぶろ
茅葺の二階家を象ったいわゆる丁子風炉で、厠などで丁子(クローブ)の皮を煎じ、芳香で臭いを消すための道具である。一階と二階が分かれ、屋根の頂部が蓋となり、一階の風炉に火を入れ、二階の釜で丁子を煎じる。一階四面には柴垣が巡って菊が咲いて蔦が這い、二階四面にも菊や撫子・桔梗等の秋草が咲く。屋根の苔、黒木の柱、網代戸など佗びた数寄屋の意匠に、飾り金具の付いた欄干、扇形の窓、軒下の茄子形の鐶付など、淡黄地に緑・青・金の彩りも相俟って、空想的な華やかさを漂わせる。(『日本のやきもの千二百年 奈良三彩から伊万里・鍋島・仁清・乾山』サントリー美術館、2001年)
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