ちゃねりぬきじたからづくしもようこしまき
鉄媒染による茶練地の生地全体を宝尽文の刺繍で埋め尽くした、江戸時代後期の典型的な意匠の腰巻。腰巻は武家の女性が夏の正装として着用した衣装である。赤、白、緑、黄緑、黒、金といった色糸により、宝珠、打出小槌、分銅、筒守、丁子、隠れ蓑、隠れ笠、宝巻、宝鑰、宝袋などを表した刺繍の技は精緻を極める。特に3cm程の宝袋の表面には、立雛や楼閣山水、中国の古書『二十四考』に登場する孟宗の故事などを縫い表している。(『サントリー美術館プレミアム・セレクション 新たなる美を求めて』サントリー美術館、2018年)
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