らんぷ ひとよたけ
1890年代頃から見られる装飾と形態の一体化から、装飾と構造の一体化へと発展した作品。「ひとよ茸」は、広葉樹の朽ち木が埋もれた影などに生え、鐘型で灰褐色の傘を持つ。数日間で生長すると、夜になって笠を開き、一夜のうちに柄だけを残して溶けてしまう。これが名前の由来である。その際真っ黒に液化して滴り落ちるため、英語名は「inky cap(墨のように黒い笠)」と呼ばれる。ガレは、この短命な茸の生長過程を巨大化させ、ランプの形に仕立てた。練鉄製の台座は朽ち果てた森の木を表わし、共存する生命の死を糧として生長を遂げ、また土に帰っていくひとよ茸に、自然の摂理、輪廻の世界を託したのだろう。ぼんやりと灯る姿が、湿りを含んだ薄暗い森を想起させる。(『オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ』サントリー美術館、2016年)
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