すーぷいれ なんしーのもんしょう
この四つの脚をもつスープ入れは、おそらくサン=クレマン製陶所で作られたもの。容器と蓋には、ナンシー市の紋章・アザミと三羽の小鷲が描かれている。アザミは、元々ロレーヌ地方の紋章だったが、16世紀に入ってナンシー市の象徴となった。胴部の紋章には、「手を出すものは制される Non inultus premor」とのラテン語の銘が見られるが、ナンシー市の紋章には「私を苦しめるとただではすまない Je ne suis pas presse impunément」との銘が付される場合もある。元々この銘句は、1516年には「そして私をひどく傷つけるものは刺される Et qui nous poinct très fort se picque」というものだったという。これについてガレは自身の『芸術の覚書』の中で、「たとえばわれわれの紋章のアザミにある表現は、武勲詩から引用した」と記している。普仏戦争によって故郷を割譲されてしまったガレの愛惜の念が見て取れるデザインであろう。(『オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ』サントリー美術館、2016年)
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