びん せんとう
ヴィクトル・プルーヴェ(Victor Prouvé, 1858-1943)は、ガレが1889年のパリ万博に出品した作品のうち、およそ十点のためにモティーフ案を提供した。この作品もその内の一点で、実際の習作はナンシー派美術館が所蔵している。仰向けに横たわる男性の傍らで、騎乗の戦士と裸体の男性の戦闘の場面が彫り描かれている。体つきから、戦士はジャンヌ・ダルクとも推測できる。愛国心の強かったガレの作品には、数点のジャンヌ・ダルク像が登場し、同万博に、やはりプルーヴェの下絵を基にジャンヌ・ダルクを彫り描いたガラス作品を出品している。背面には、銃を持つ騎乗の戦士が小さく彫られているが、撃ったばかりの銃から立ち上る煙の様子など、細やかな描写がエングレーヴィングの技術の高さを物語っている。ガレは、1889年パリ万博出品作品への解説書の中で、「クリスタルガラスに芸術性の高い文様を彫る技法の改善と使用法」について特記し、同展におけるひとつの見どころとして、エングレーヴィングによる作品群を挙げた。元々は嵌め込み式の台座があったのだろう。(『オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ』サントリー美術館、2016年)
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