たいはい くらげ
かつてガラス器のモティーフに、くらげを選んだ作り手がいただろうか。ガレは1900年に行なった「象徴的装飾」と題した演説の中で、「海の秘密を、勇敢なる海洋学者は解き明かしてくれます。海の収穫を吐き出してくれるのです。それは工房であり、装飾芸術のアトリエとなり、さまざまなモデルの博物館となるのです。また彼らは芸術家にとって思いがけない素材や、海の七宝細工やカメオを描き、提供してくれるのです。やがて透明なくらげは、ガラスの聖杯に、今までなかったような微妙な色彩と調和のとれた曲面を与えてくれるでしょう」と語っている。この杯はまさにガレの言葉を物語るように、潮にまかせて漂う海藻の中を、くらげが群をなして浮上していく様子を表わしている。部分的に挟み込まれたプラチナ箔がオレンジ色に光り、まるで海中に差し込む陽の光を象徴するようだ。(『オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ』サントリー美術館、2016年)
作品名、作者名、制作地・様式などのキーワードで収蔵品の検索ができます
2024年 1月
2024年 2月
2024年 3月
2024年 4月
2024年 5月
2024年 6月
2024年 7月
2024年 8月
2024年 9月
2024年 10月
2024年 11月
2024年 12月
2025年 1月
2025年 2月
2025年 3月
2025年 4月
2025年 5月
2025年 6月
2025年 7月
2025年 8月
2025年 9月
2025年 10月
2025年 11月
2025年 12月