かき とんぼ
森の水辺へと、一匹の蜻蛉が落下する様を彫り描いた花器。蜻蛉が水面に映る自分を見つめながら落ちていく姿は、ガレ旧蔵の鼻煙壺(その他108)に彫られた蝶と構図に共通性が見られよう。この花器は、1889年に発表した黒色ガラスによる〈悲しみの花瓶〉シリーズのひとつ。死にゆく蜻蛉の耐え難いほどの孤独感を、黒色ガラスと精緻な彫りによって詩情豊かに描き出している。ガレの三女ジュヌヴィエーヴによると、1889年パリ万博出品をきっかけに、ガレは同一意匠を六点制作したという。万博出品作品(エドモン・ド・ロトチルド男爵 Le Baron Edmond de Rothchild旧蔵)には、「ひとりぼっちのわたし、ひとりぼっちでいたい Seulette suis Seulette veux- être」との刻銘があったという。(『ガレも愛した―清朝皇帝のガラス』、サントリー美術館、2018年)
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