ほらがい まきえ くら
前輪と後輪の外側は黒漆地、内側は梨地とし、金銀の高蒔絵で外側から内側に折り返すように大胆に法螺貝を表す。法螺貝には吹口と房付の紐が付く。法螺貝の縞は金と青金、銀の蒔暈しで表わして金の付描で界線を引き、貝の口には銀平蒔絵を、紐は朱漆で盛上げて金蒔絵を施すなど、技巧を尽くしている。居木の上面と両側面は梨地とする。法螺貝は軍陣の合図に用いられ、また仏教ではその大音声が偉大な仏の説法の譬えとされ、諸天の加護を招くとも言われる。居木裏には「寛文十一年/六月日」、「長旨(花押)」の刻銘がある。(『KAZARI 日本美の情熱』サントリー美術館ほか、2008年)
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