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朱漆塗ガラス絵蓋付椀

しゅうるしぬり がらすえ ふたつき わん

数量・員数
五合
寸法(単位cm)
(各)径13.3 総高8.3 ガラス絵径5.5
制作年代
江戸時代~明治時代   19世紀

 一見、ごくシンプルな朱漆塗の蓋付椀かと思いきや、蓋のつまみの内側の円形部分には、色鮮やかな山水人物図が表わされています。しかもこの山水人物図は、つやつやとした光沢があるうえ、水色・ピンク・白・赤・緑・黄といった斬新な色づかいで平面的に着彩されており、どこかシュールにすら感じられます。  この不思議な山水人物図は「ガラス絵」の手法によるものです。ガラス絵は、板ガラスの裏面に絵を描き、それを表面から見て愉しむ絵画を言います。ガラス特有のつややかな表面の質感や、ガラスに絵具を直接載せることで生まれる瑞々しい発色がその魅力です。  マットな朱漆の質感のなかに、キラリと光る色鮮やかなガラス絵。異なる質感をもつ素材の組み合わせに、この椀を使った人たちもさぞかし驚いたことでしょう。(『サントリー美術館 開館60周年記念展 ざわつく日本美術』、サントリー美術館、2021年)

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