さらまんだーいり ぺーぱーうぇいと
火の中を棲家とし、焼け死ぬこともなく若返りさえすると信じられてきた伝説の動物「サラマンンダー(火とかげ)」。このためサラマンダーは、「火」と同一視されるだけでなく、「復活のシンボル」でもあった。ガラス製作に携わる者にとって、この「火」を象徴する動物は、精神的な関わりの深いモティーフだったに違いない。本作品は、銀色の斑点を持つ褐色の火とかげ「サラマンダー」と、黄色のキンポウゲの花を封じ込めたペーパーウェイト。封入される細工物は、ガラス棒あるいは管を、卓上のバーナーの火で成形し作られ、その後カットやグラヴュールなど、細やかな制作過程を経ている。パンタン社は1851年、パリ郊外で創業したガラス製造会社で、1878年のパリ万博には、花、蛇、とかげ、りす等のガラス細工を封入したペーパーウェイトを出品、その高度な技術が称賛された。(『ガラスをめぐる4つのアプローチ―技法で見つめる西洋と東洋の名品』、サントリー美術館、2001年)
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