すたーらっぷ にじゅうぐらす
ふたつのカップが上下逆さまに付いた形のこの杯は、元々馬に乗って出立する人や狩りに出かける者と別れる際、成功と無事を祈って酒を酌み交わすのに使われた。そのため、「スターラップグラス(stir up、奮起させるの意味)」と呼ばれる。どちらか一方のカップに酒を注ぎ、飲み干した後、上下を反対にし、もう一方の杯で酒を飲む。仲間同士の友愛を確認し合う場面に登場した杯だ。一方に彫られた帯状の文様は、17世紀末から18世紀初頭にかけて、建築意匠として流行していたものである。(『Drinking Glass―酒器のある情景』サントリー美術館、2013年)
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