れーすぐらす ふたつき ごぶれっと
この杯は、おそらくネーデルラントに流れたイタリア職人によって作られた、まさにヴェネチア様式のレースグラス・ゴブレット。捻れ文様と平行線文様の二種類のケインを交互に配置して、レース文様を織り成している。蓋のつまみのクリスタッロが、ぜんたいにアクセントを加え、清々しい。実用的なゴブレットとしては、高さ45.5cmとあまりにも大きく、むしろ宴席の食卓を彩る飾りとして作られたものだろう。所有者のステイタス・シンボルを兼ね備えたものと考えられる。(『あこがれのヴェネチアン・グラス―時を超え、海を越えて』、サントリー美術館、2011年)
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