きんさい しゅりょうもん ふたつき ごぶれっと
無色透明ガラスで成形したゴブレットに、金箔を貼ってから針で文様を搔き出したもの。蓋にはのどかな鹿の親子を配し、カップには逃げ惑う鹿の親子、これを追う猟犬、そしてしとめた親鹿を前に帽子を脱いで喜びを露にする青年の姿を描く。フットには残された小鹿、鳥を持ち帰る青年と猟犬が描かれる。時の流れが、器の蓋から脚へ、上から下へと流れている。モティーフの描写は繊細だが、陰影表現はない。ステムは規則正しいオペークツイストで、八角に面取りしてある。(『ガラスをめぐる4つのアプローチ―技法で見つめる西洋と東洋の名品』、サントリー美術館、2001年)
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