しゅうるしぬり うるしえ ぜん はんき しゃくし
正方形、入隅の天板に緩い曲線の四足がつくいわゆる猫足膳。天板を朱漆塗、脚を黒漆塗とし、見込に黒・朱・黄・黄緑・緑の色漆と金銀蒔絵で絵を描き、足に黄漆で梅鉢文を散らす。膳は、水仙・桃・椿・百合・罌粟などの花の他、葦に鶴、雪持竹に雀、筍に蜻蛉、波千鳥に帆掛船、木賊を刈る人物の絵替とする。飯器は底裏以外、内外とも朱漆塗とし、蓋表に色漆と金銀蒔絵で露の散る水仙を描き、杓子には朱漆地に鉄線文を描いている。絵替は四季の風物を配すようだが、春の景物が目立ち、雛祭の膳としてあつらえられたものかとも思われる。(『おもてなしの美 宴のしつらい』サントリー美術館、2010年)
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