REPORT
健康のための行動変容を促す!
ヘルスケアアプリや健康プログラムに必要なものとは?
対談記事
人生100年時代には、自分で健康を守るセルフケアが重要だと言われており、健康のための行動変容がカギとなります。本記事では「へるすまーと泉北」との共同プログラムを事例として、南海電鉄の日高研二郎氏とともに、ユーザーに行動変容を促すために必要なポイントを探ります。
南海電気鉄道株式会社
まちづくりグループ
まち共創本部泉北事業部
日高 研二郎
分譲住宅の営業企画担当を経て、現在はへるすまーと泉北の実証事業、SENBOKUスマートシティコンソーシアムのヘルスケアWG事業推進、泉北ニュータウン地域のエリアマネジメント業務を担当。
サントリーグローバルイノベーション
センター株式会社 研究部
金川 典正
機能性飲料開発、機能性素材探索研究を経て、現在はデジタルヘルステーマの研究開発、事業化を推進。
社会課題としても重要な健康管理
ヘルスケアアプリ「へるすまーと泉北」
金川 今日は2023年6月に御社と共同で実施した「4週間腸活チャレンジ」に関して、一緒に振り返りができたらと思っているのですが、まず御社の取り組みである「へるすまーと泉北」について、ご説明いただけますか?
日高さん 「へるすまーと泉北」は、大阪府堺市にある泉北ニュータウンの住民や来街者の方を対象にしたヘルスケアアプリです。機能としては、ウォーキングの歩数記録ができるほか、アプリに入力した日々の体重や血圧をグラフ化するなど、セルフチェックができます。また、ウォーキングや体重の入力でポイントが貯まり、提携する地域のお店で使えたり、泉北高速鉄道のデジタルきっぷと交換できます。あとは、おでかけのきっかけづくりとして地域の健康イベントなどの情報発信もしています。
金川 セルフケアという点で「腸note」と共通していますが、鉄道会社である南海電鉄がヘルスケアアプリの運営を行っている理由は何でしょうか?
日高さん 2022年6月に産官学で立ち上げた「SENBOKUスマートシティコンソーシアム」に南海電鉄も参画していて、その中のヘルスケアWGでの取り組みの一つとして、このアプリがあります。私たちとしては、このアプリを通じて、我々が運営する鉄道や施設などの利用促進につなげられるのか、ユーザーの行動変容を促すことができるのかを探るための実証実験というのが一つの目的です。また、ヘルスケア分野におけるライフサポートを行うことで地域住民の方に+αの価値づくりをお届けし、地域活性化に寄与するという目的もあります。
金川 健康教室やスマホ講座といったイベントも実施されていますが、そういう理由なんですね。
継続してもらうために必要なこととは
共同プログラム「4週間腸活チャレンジ」
金川 では、なぜ今回「腸note」とコラボレーションをしようと思っていただけたのでしょうか?
日高さん 「へるすまーと泉北」を共同で開発をしているNSD社が以前からサントリーさんと面識があり、サントリーさんにご挨拶した際に「腸note」のお話をお聞きしたことがきっかけです。以前「へるすまーと泉北」のユーザー約550名にアンケートをした際に、腸活に興味を持っている方が約200名と非常に多かったこともあり、「住民のニーズに応えるためにも、ぜひ腸noteとコラボレーションしたい!」と思ったんです。
私からも逆に伺いたいのですが、どういう理由で私たちと一緒にやっていただけたのでしょうか?
金川 NSD社と会話を始めたときは「腸note」をリリースする前で、まだ具体的なユーザーが見えていない段階でした。「へるすまーと泉北」のユーザーは健康意識が高い方が多いと伺い、そういった方々に「腸note」は使っていただけるのか、どこに価値を感じていただけるのかを知りたかったというのが理由です。
日高さん 私たちも「へるすまーと泉北」をリリースしてから分かってきたことなのですが、住民の方々、特にこのアプリのユーザーは健康意識が高くて、アプリのアクティブ率も約60%と高いんです。
金川 今回の共同プログラムである「4週間腸活チャレンジ」では、参加者の皆さんに「腸note」を使って、毎日腸音やお通じの記録をつけていただきました。腸活は短期間ではなかなか成果が見えないため、4週間という期間を設定したのですが、期間が長いと継続して参加いただくのが当然難しくなります。でも、健康意識の高さやアクティブ率を伺って、泉北の皆さんならやっていただけるのではないかという期待がありました。
日高さん プログラム開始前に対面での腸活セミナーやアプリ操作説明会を実施したのも、継続してもらえるかが課題だったからですよね。
金川 私たちのような、アプリの裏側にいる人間を知ってもらう必要はあると思いました。また、せっかく4週間やるからには納得をして参加していただきたいので、事前に対面でご説明をしたかったんです。終わった後の報告会で皆さんのデータを集計して、どう変わったのかを示すところまで、トータルのプログラムとして提供したいという気持ちがありました。
行動を変えると体調が変わるという体験
「4週間腸活チャレンジ」説明会
日高さん 実際にプログラムをやっていく中で、感じたことはありますか?
金川 事前セミナーでもたくさん質問をいただいたのですが、腸や腸活に興味を持っている方が多いことを知れたのは良かったです。あと、健康意識の高さとも関係するのかもしれませんが、楽しみながら取り組んでくださる方も多かったですね。
日高さん 「へるすまーと泉北」では日々の記録や、獲得したポイントのランキングが表示されるので、それを楽しみに取り組んでいる方々も多いです。「腸note」でも記録していく楽しさを感じられたのかもしれません。また、参加者の数人の方から「このプログラムが終わったら、腸noteは使えなくなるのでしょうか。それだと困ります」というような問い合わせをいただいて、「腸note」のような腸活ツールを必要としている方がいることを肌で実感しました。
ほかにも、このプログラムに参加して便通が改善した方から「朝食前に便が出て嬉しい。腸活に感謝しています。これからも朝の散歩と食事を頑張ります」という声もいただいて、腸活プログラムを実施して良かったなと思っています。
手の届くところに行動変容のきっかけをつくる
金川 行動変容という観点では、このプログラムを通じて「水分をとる」ということを毎日意識して、取り組んでくださった方が多く、普段の行動に変化をもたらすことができたと思っています。「水分をとる」という項目はアプリ上で常に表示されていて、水分をとったときにも、手軽に入力ができるように設計しているので、UIの良さもあったのかなと。
日高さん 確かに、手軽にできると日常に組み込みやすいというのはあると思います。
私たちは今後の「へるすまーと泉北」での行動変容のヒントを探るため、今回の「腸note」の活用を含めて、プログラムへの参加継続率を一つの指標にしていました。結果として、約8割の方が4週間毎日取り組んでいただけたことは、大きな実績です。
金川 8割という数字の要因はいくつかあると思っていて、まず参加してくださった方の意識の高さ。あとは、日高さんたちの後押しも大きかったのかなと思います。
日高さん 行動変容を促すため、「へるすまーと泉北」のメッセージ機能を使って、参加者の皆さんに「皆さん、腸note使って測定していますか?」「あともう少し頑張ってくださいね」など、定期的に声かけをさせていただきましたので、一定の効果はあったと感じています。それと、先ほどお話に出ましたが、事前セミナーというオフラインでのコミュニケーションがあったことが良かったですね。
金川 結果的に見ると、やはり重要だったのかなと。アプリの手軽さや参加のしやすさだけでなく、きちんとユーザーと関係を築くことの大切さを感じました。あとは、皆勤賞としてサントリーの製品をご用意しておいたのも良かったかもしれません(笑)
日高さん モチベーションを維持してもらう仕掛けはやっぱり重要ですよね。私としては、地元の南海電鉄に加えて、サントリーという有名かつ馴染みのある企業がやっていることでの安心感や信頼感も大きかったと思っています。
金川 ありがとうございます。今回のプログラムで、普段から積極的に健康増進に取り組んでいる方の行動を変えられたことも大きかったのですが、全員がそういう高い意識を持っていたわけではなく、健康のために何をすれば良いか分からなかった方もおられました。そういう方にも「まずは腸の音を聞いてみよう」「とりあえず水分をとってみよう」くらいのきっかけを提供できたことも良かったです。
もし、健康に関する取り組みを考えられている企業や自治体が他にもあれば、「腸note」でサポートできることはあるだろうと感じています。
腸の音から腸がわかる!
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