REPORT
美腸のプロに聞く!
「腸音」は健康管理にどう活きるのか?
対談記事
以前から腸内環境を整えるためには腸内フローラとも呼ばれる腸内細菌叢が重要だと言われていますが、サントリーグローバルイノベーションセンター(SIC)では「腸音」に注目。「腸音」による健康管理の可能性やスマホアプリ「腸note」の活用方法について、美腸のプロである日本美腸協会の代表理事・北川睦子氏に、SICの金川が伺いました。
一般社団法人 日本美腸協会
代表理事
北川 睦子
腸の正しい知識や腸もみ技術を広め、より多くの人々の健康を叶えるために、講演やメディアの運用による啓発活動を牽引。
サントリーグローバルイノベーション
センター株式会社 研究部
金川 典正
機能性飲料開発、機能性素材探索研究を経て、現在はデジタルヘルステーマの研究開発、事業化を推進。
現代人の健康管理は腸がカギ
一般社団法人 日本美腸協会 代表理事
北川睦子氏
金川 日本美腸協会さまと弊社は、ピラティスのイベントを以前共催させていただきましたが、改めて日本美腸協会がどんな取り組みをしているのか教えてください。
北川さん 当協会は、便秘外来の医師が監修する腸の専門知識や腸もみ技術など、正しい情報を発信し、ストレスの多い現代人が抱えるお腹の悩みに応える活動をしています。
金川 そもそも腸に注目をされた理由はありますか?
北川さん 人間の体には無数の細胞があって、細胞に酸素や栄養を運ぶ血液の質が、健康管理には重要です。そして、血液の質は何を食べるかに左右されるので、結局その食べ物を消化吸収する腸がカギになると考えています。
金川 全身の健康のために腸が重要だと言うことですね。では、日本美腸協会では腸内環境を整えるための「腸活」として、食事・運動・腸もみという3つを挙げておられますが、腸もみすることにはどんな意味があるのですか?
北川さん 現代社会では、デスクワークで1日中座りっぱなしという方がたくさんいらっしゃいますが、運動不足になるだけでなく、腸の蠕動(ぜんどう)運動も妨げられています。また、ストレスによっても腸の動きが鈍くなると言われています。そのため腸もみをすることで、腸を刺激して蠕動運動を促進。副交感神経の働きを活発にして、ストレスを和らげるのです。
腸の動きを自分で確認できる
サントリーグローバルイノベーション
センター株式会社 研究部
金川典正
金川 蠕動運動という言葉が出ましたが、私たちが開発した「腸note」は、まさに腸の蠕動運動の音である腸音を録音・記録することで、健康管理を行うアプリです。
北川さん 金川さんは、なぜ腸音に注目されたのですか?
金川 腸の状態を知るための客観的な指標がなかったからです。もちろん便の状態やエコーなどで腸の状態を知ることはできますが、専門的な知識や技術が必要で一般の方が実施するのは困難だと感じていました。そんなとき、自分のお腹がよく鳴っていることに気づきました。
北川さん 内科を受診すると医師も聴診器で音を聞いていますよね。腸音から何がわかるのでしょうか?
金川 医師も腸蠕動音を聞いていて、腸がしっかり動いているのか、もしくは動きすぎていないかを確かめていると伺っています。しかし、腸音に焦点を当てた研究はまだまだ進んでおらず、現時点ではポコポコやグルグルなどさまざまな音の種類があることはわかっていますが、それらによって腸の状態がどう違うのか、あるいは音の質などからその良し悪しがどうかまではわからないといわれているそうです。
北川さん でも、動いているかどうかを、スマホを使って自分で確かめられるのは良いですね。
金川 北川さんは実際に「腸note」を使っていただいて、どう思われましたか?
北川さん 最初に「腸note」のことを知ったときには「腸の音を聞くことなんて本当にできるの?」と思いました。でも、実際にやってみると簡単に音が録音できて、毎日楽しみながら記録しています。
私たちは普段、お腹に悩む皆さんからお話を聞き、その状態に合わせた食事や運動のアドバイスをしています。当会で腸活(食事や運動)を行なった約60%の人が3ヶ月以内に体の変化を実感しています*。しかし、体感には個人差がありますので、少なくとも3ヶ月は続けることもアドバイスしています。その点、「腸note」は自分で手軽に腸音を聞くことができ、お通じなどの記録も簡単にできるので、日々の変化を確認できるところが良いと感じます。
金川 ありがとうございます。北川さんがおっしゃるとおり、ユーザーの皆さんには毎日腸音を記録して、音の変化とそのときの自分自身の状態を紐づけながら、健康管理に役立てていただきたいと思っています。
- *日本美腸協会会員100名へのアンケート調査に基づく。
腸音を聞くことから始める健康管理
北川さん 腸音を録音するのに良いタイミングというのはあるのでしょうか?
金川 日々の状態を比較するために、毎日同じタイミングで使っていただくことをお勧めしています。特に朝起きて、食事をする前がオススメです。腸は食事をすると活発に動き出しますが、正常な腸は寝ている間や空腹時でも、ある程度動いているという研究結果があります。そのため、ユーザーの皆さんにも、朝の空腹時でもきちんと腸が動いているかどうか、ご自身のポテンシャルを確認していただくのが良いと考えています。
北川さん 確かに、条件を揃えることで比較しやすくなりますね。あと、私個人としては、お腹が張っているときや便が緩いときで聞き比べたり、お子さんと一緒にやっていただいたりすることで、健康管理を楽しめるのではないかと感じています。
金川 北川さんなら、どんな人に「腸note」をお勧めしますか?
北川さん もちろん便秘などに悩んでいる方には、「腸note」を活用しながら腸活をしていただきたいです。それ以外にも、なんとなく体の不調を感じる人にも使ってほしいですね。眠れない、疲れがとれないなど、腸音を聞くことで何かがわかるかもしれません。腸は脳と相互に影響を与え合っていると言われていますから。
金川 そうですね、実際に体の不調が腸に起因しているケースもあるようです。また近年、免疫機能など、腸が全身の健康と密接に関わっていることが多くの研究で明らかになってきています。そのため、「腸note」も便秘に悩む人だけでなく、健康を意識している60代・70代の方にも多く使っていただいています。
日常生活に溶け込む健康管理ツールとして
金川 先ほど、北川さんが楽しみながら健康管理ができるとおっしゃっていましたが、私たちもその点は重要だと感じています。健康行動は、運動も食事も継続することが難しくて、離脱してしまう人が多いのが現状です。そのため、「腸note」は、押し付けないということを大事にしています。あくまで「楽しいから使う」「楽だから使う」というように、ユーザーの皆さんが無理なく自己管理できるようなサポートをしていきたいです。
北川さん 「腸note」は食事の記録も付けられて、その日の行動を腸音と合わせて記録できるので、振り返りができるところも良いですね。さらにスコアが出るので、モチベーションアップにもつながります。
私は「腸note」が体重計のような存在になれば良いなと思っています。スマホで心拍数などを計測するアプリもありますが、今はデジタルツールを使って自分で体調管理を行う時代。腸音を確認することが日常生活の中に自然と組み込まれ、体調の変化に自分で気が付けるようになれば、健康寿命をもっと長くできると考えています。
金川 ありがとうございます。「腸note」が気づきのきっかけになれば嬉しいですね。
私は腸音をさらに研究して、音の違いから体の不調やその兆しがわかるようなものにしていきたいと考えています。より多くのユーザーに使っていただき、そのデータを収集・分析することで、新しい発見もあるのではないかと。人間の耳ではわからなかったことがAIでわかるようになったり、これまで以上の提案ができたりと、「腸note」を通じて、今後の研究成果をユーザーの皆さんに還元していきたいです。
腸の音から腸がわかる!
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