78ロベリアの育て方~鉢・土・苗や植え方など栽培ポイントも
ロベリアとは?どんな花?特徴や開花時期!
ロベリアはキキョウ科ロベリア属で、春から初夏(4~7月頃)にかけて花を咲かせます。水色や濃い青、紫、白、ピンクの豊富な花色があり、蝶のような花弁を見せてくれます。ふんわりとよく分枝して沢山の花を咲かせる姿に目を引き、リピーターさんも多いです。品種によって一年草と多年草があり、日本で主に流通しているのは一年草のみです。原産地は熱帯?温帯地域原産のため、暑さや寒さには弱いです。蒸れないように密植を避け、株元の風通しや日光の当たりを良くすれば、健康になり花を多く咲かせます。花を長く保つには追肥や切り戻しをするとよいでしょう。
目次
ロベリアの特徴などを解説します!
ロベリアの花言葉
人の目をよく引く鮮やかな花色から「いつも愛らしい」、それでいて、地面の低い位置で小花がまるく連なるように咲く姿から「謙遜」が花言葉になったといわれています。
ロベリアの花の語源
医師で植物学者のマティアス・ロベルにちなむ、学名ロベリア(Lobelia)と同名です。「瑠璃溝隠(るりみぞかくし)」という和名は、溝を隠すほどに瑠璃色の花が咲くことから、別名「瑠璃蝶草(るりちょうそう)」は、蝶のような瑠璃色の花弁を見せることからきています。
アズーロコンパクト| 圧倒的な花密度とふんわり感
ロベリアの中でも人気を集めているのが、花つきがよくこんもりと茂る「アズーロコンパクト」です。アズーロコンパクトだけの圧倒的な花密度とふんわり感!繊細な花穂が多数伸びることで、他の花との相性がよく、美しく混ざります。横に大きく、縦にしだれのように垂れて咲くので、土が浅く入れられる高さのあるカップ型の鉢がおすすめです。
ロベリアの栽培環境は?苗や土の選び方は?
ロベリアを育てる前のチェックポイントです。「種」を蒔いて育てる方法もありますが、初心者には育てやすい「花苗」から植える方法がおすすめです。花苗は植え込み時期となる3月~6月に園芸店やホームセンターなどに並びます。
栽培環境 | 日当たりや風通し
蒸れに弱いロベリアは、隣の株との間をあけて株元の風通しを良くすることが重要です。日当たりを好みますが、西日が強く当たる場所は避けてください。また、凍結や寒風のない陽だまりに置くことで冬場を越せるころもあります。
ロベリアの鉢の選び方
水はけがよくなり草花が横に広がる特徴に合う、ハンキングバスケットや吊鉢などでの栽培がおすすめです。
ロベリア鉢植えと地植え
鉢植えも地植えもできるロベリアですが、矮性(低い草丈のもの)と下垂性(下に向かって伸びるもの)それぞれに適した植栽場所があります。矮性の品種は花壇の寄せ植えで、下垂性の品種にはハンキングが合います。
ロベリア苗の植え付け |鉢植えの場合
鉢は2~3株で30cmのものを使いましょう。鉢底ネットを敷いた上に軽石を1?2段分入れて準備をします。鉢の半分くらいまで草花用の培養土を入れます。その後、ロベリアの苗をビニールポットから取り出すときに軽く根鉢をくずしておきます。鉢いっぱいに土を入れず、鉢の縁の高さより2~3cm低い位置までにして、ウォータースペースを作ります。鉢の縁ギリギリまで土を入れてしまうと、水やりの際に水が上から溢れ出てしまいます。上から土を押さえながら量を足していくと良いでしょう。
ロベリア苗の植え付け |地植えの場合
2週間ほど前から耕しておいた用土に、苗の入っていた鉢よりも一回り大きな穴を作り、軽く根鉢をほぐしてから植えこみます。
ロベリアが重なって蒸れないように、苗と苗をくっつけず適度な間隔をあけて植えてください。最後に土全体にたっぷりと水を染み込ませます。
ロベリアの基本の育て方 3ステップ
(1)園芸店やホームセンターなどで売っている花苗と、草花用培養土を用意します。地植えの場合は、定植する2週間ほど前までに赤玉土と腐葉土を混合した用土に元肥を入れて耕しておくと良いでしょう。
(2)花苗をプランター(鉢)などに植え込んで、半日以上直射日光の当たる屋外に置きます。
(3)土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりとお水をあげてください。
水やり | 乾と湿のメリハリが大切!
ロベリアは停滞水を嫌うため、鉢土の表面が乾いてから水やりを行うことが大切です。ただし株がしおれると戻らないことがあるので、水切れしないようにします。水をあげるときは鉢底から水が流れ出るまでやります。葉が蒸れないように茎葉全体ではなく株元から水をあげること、昼間には水をあげないことがポイントです。また、真夏の水やりは朝か夕方の涼しい時間帯に行いましょう。水がぬるま湯のようになってしまう昼の時間帯は避けます。真冬の場合は、気温の下がる夕方に与えると凍結することがあるので、真昼に与えるようにしましょう。
肥料 | 成長力と開花力がアップ!
植え付けの時に元肥として緩効性肥料を施し、たくさん花をつける開花期には、月に2~3回程度は薄めた液肥を追肥しましょう。肥料を切らさないことで株の勢いを保てます。ただし、夏越しさせる場合には真夏の時期の肥料やりは控えます。
摘芯(ピンチ) | ボリューム感ある株に!
基本的には摘芯は不要ですが、定期的に行うと花つきが良くなります。一年草のロベリアは、幼苗のうちに茎の先端を切り取る摘芯を行うと、こんもりとよく分枝して生長します。
切り戻し |何度も満開を楽しむために!
一年草のロベリアは高温多湿に弱く、多くが梅雨明け後に枯れます。しかし切り戻しを梅雨前に行うと夏越しができる可能性があり、うまくいけば秋にもう一度開花します。切り戻しなしで夏越しできた株も、9月頃には切り戻しを行いましょう。切った花は生け花として飾って楽しめます。
◆切り戻し方法
全部の枝を鉢の外回りに沿う形でカットします。この時、必ず株元に葉を残さないと枯れてしまうので、葉が付いている手前でカットするようにします。草丈3分の1~半分ほどで切り戻しをすると良いでしょう。
ロベリアの病害虫
アブラムシ、ハモグリバエ、ハダニ、などです。高温乾燥、高温過湿した環境や育苗用土が悪いと苗立ち枯れ病が発生することがあります。よく水洗いした容器に、新しい用土を入れて作るようにしましょう。茎葉や新芽、つぼみにはアブラムシがつきやすく、オルトランの粒剤を株元に施して予防するか発見次第早めに薬剤で防除します。また、葉裏には梅雨明け後にハダニがつくことがありますので、殺虫剤をまいておきましょう。広がらないうちに駆除をすることが大切です。
ロベリアを上手に育てるポイント
ロベリアを育てるポイント4選!
①植え付けと土壌管理
水はけの良い良質の培養土を選び、適切な水やりと保水性を確保するためのマルチングを行いましょう。適切な風通しを確保するため、密集した植え付けは避けましょう。
②日照と風通し
日光を好みますが、強い直射日光は避けましょう。部分日陰の場所や、午前中の日光を浴びる場所が理想的です。
③適切な水やりと肥料管理
ロベリアは乾燥を嫌いますが、過湿も禁物です。 適度な水やりと排水性の確保に注意しましょう。 植物の成長期には適切な肥料を与え、健康な成長を促しましょう。
④剪定と虫害対策
美しい花の状態を維持するために、定期的な剪定が必要です。不要な枝や花を取り除き、植物の形を整えましょう。 虫害には注意が必要です。害虫の早期発見と適切な対策を行いましょう。
花がらの摘み取り
ロベリアは次の花がすぐに咲くので、咲ききった花は早めに摘み取りましょう。花がらを残しておくと株が消耗し、花数が少なくなってしまいます。また、落ちた花がらを取ることで株まわりを清潔に保ち、病害虫が寄るのを抑えられます。花がらをまめに摘み取って、春から初夏までにたくさんの花を咲かせましょう。
猛暑時の対策
夏は西日を避け、風通しの良い場所で管理しましょう。夏場コンクリートの上に直接鉢を置くと、地熱により株がダメージを受けます。すのこやフラワースタンドを用い、なるべく高い場所に置くようにしましょう。
ロベリアの夏越しと冬越し
夏越し
真夏の強い西日は苦手です。鉢植えであれば、夏は風通しのよい半日陰で管理しましょう。梅雨明けくらいまでには株の1/2程度切り戻しをして、風通しのよい環境にしてあげましょう。大雨や台風などの激しい雨風には直接当たらないようにしてあげてください。
冬越し
耐寒性に弱く、基本的には一年草であるため冬越しはしません。植え込みが温暖な場所であれば可能な場合がありますが、翌年も十分に咲くとは限りません。霜や雪には直接当てないよう注意しましょう。また、病虫害を持ち越す懸念もあるので、次の春には新しい苗を植え付ける方がおすすめです。
ロベリアの寄せ植えやハンギング、地植えなど
ロベリアは花径1~2cmの花が株全体を覆うようにして咲くので、遠くから見ると鮮やかな花色の塊のように見えてとても美しい草花です。単色植えはもちろんですが、混色植えや他の植物との寄せ植えがしやすく、ガーデニング初心者にも人気です。鉢植えはもちろん、ハンギング、地植えなど、いろんな育て方ができるのでぜひ試してみてください。