76ナデシコ(ダイアンサス)の種類と育て方:美しい花を咲かせる方法
ナデシコはどんな花?特徴や開花時期
ナデシコは4月~11月にかけて花を咲かせるナデシコ科ダイアンサス属の花で、基本的に丈夫で育てやすく、良い環境で育てれば主に春から初夏にかけて花をたくさん楽しめます。その可憐で奥ゆかしい花姿は日本でも昔から長く愛でられていますね。
ナデシコは世界中に約300種が存在し、広くはカーネーションやカスミソウもナデシコ科の植物になります。赤、赤紫、紫、ピンク、黄色、白、黒など多彩な花色があり、品種改良によって園芸品種の種類も豊富です。
ナデシコは寒さにも強いので温暖な地域では冬越しが可能な品種が多いです。鉢植えはもちろん花壇でも育てられ、切り戻して数回花を楽しむことが出来ますので、切った花は生け花としても楽しめます。
そしてナデシコは和洋どちらのガーデンスタイルにも合いやすいお花です。ぜひおうちのお庭やベランダなどで育てて楽しんでみてはいかがでしょうか。
目次
ナデシコはどんな花?特徴や開花時期
ナデシコの花言葉と語源
ナデシコの種類
花色が変化しながら一輪一輪が長く咲くナデシコ「ミーテ」
ナデシコの栽培環境は?苗や土の選び方は?
ナデシコの上手な育て方
ナデシコの育て方のポイント、対策
見事な満開姿!お客様から頂いたナデシコの写真
ナデシコの花言葉と語源
ナデシコの花言葉
ナデシコには、全体の花言葉と色別の花言葉があります。
それぞれどんな花言葉なのか、見てみましょう。
◆ナデシコ全体の花言葉は「無邪気」「純愛」。
◆赤いナデシコの花言葉は「純粋で燃えるような愛」。
◆ピンクのナデシコの花言葉は「純粋な愛」。
◆白のナデシコの花言葉は「器用」「才能」。
全体的にはナデシコの凛とした可憐な姿から、純粋な愛をイメージさせる花言葉になっていますね。
そのままの意味を持つピンク色、燃えるような赤色、聡明さが増す白色…と、無邪気な純愛が色ごとに変化していく心が表現されているようです。
ナデシコの語源
ナデシコは漢字で「撫子」ですが、「撫でたくなるほど可愛い子」から「撫子」と名づけられたといわれています。日本最古の和歌集「万葉集」の中にもナデシコの花姿を愛らしい人の姿に重ねた歌があります。
ナデシコの属名「ダイアンサス(Dianthus)」の語源は、ギリシア語のDias(神聖な)とanthos(花)を合わせた「神聖な花」という意味が有力説です。
古くから日本人に愛され続けたナデシコ(撫子)。
ナデシコはもともと日本各地でも自生しているので、古くから日本でも愛でられていました。 日本原産のナデシコ代表品種「カワラナデシコ」は、鳥の羽のような繊細な花びらが美しく、凛とした奥ゆかしいたたずまいを見せてくれます。
ナデシコは奈良時代末期の「万葉集」の中でも多く詠まれ、秋の七草の一つにも数えられました。
平安時代には紫式部の「源氏物語」、清少納言の「枕草子」等にも登場しています。またこの頃に中国のナデシコ品種が入りはじめると、日本原産のカワラナデシコは「ヤマトナデシコ」とも呼ばれるようになりました。
江戸時代の日本の園芸ブームではカワラナデシコとセキチクを交雑しながら品種改良された「伊勢ナデシコ」も人気でした。
現在でも、日本女性の美しさを例える「大和撫子」や、日本の女子サッカーチームの「なでしこジャパン」といったふうに、凛とした美しい日本女性を例える花としても表現されることが多いですね。
和風のお庭にも良く似合うナデシコは、日本人にとってなじみ深い花なのですね。
ナデシコの種類
日本の気候で育てやすいガーデニング向けナデシコ品種はたくさんあります。特に代表的な品種をご紹介します。
ナデシコの代表的な原種・園芸品種
◆カワラナデシコ(河原撫子)
日本原産の代表品種で、日本各地の山地や草原、川辺などに自生しています。「ヤマトナデシコ(大和撫子)」とも呼ばれ、秋の七草の一つにも数えられています。鳥の羽のような長く繊細な花びらの先が特長です。草丈は30~50cmと高めです。
◆セキチク(石竹)
平安時代に中国から渡来した外来品種で、カラナデシコ(唐撫子)」とも呼ばれています。葉の形が竹の葉に似ていることから石竹と名付けられたそうです。丸い愛らしい花姿が特長です。草丈は10cmの短めの品種と、20~30cmのやや高めの品種があります。
◆ヒゲナデシコ(髭撫子)
ヨーロッパ原産の品種で、アメリカナデシコとも呼ばれています。苞先が白い髭のように伸びていることから名付けられたといわれています。たくさんの小花が枝の先端に集まって咲く花姿が特長です。草丈は15~20cmのやや短めの品種と、40~60cmの高めの品種があります。
◆タツタナデシコ(竜田撫子)
ヨーロッパ原産の品種で、花びらの中央のリング模様(蛇の目模様)が特徴です。カーネーションなどの園芸品種の交配親としても関りがあります。草丈は20~40cmの高めの品種です。
花色が変化しながら一輪一輪が長く咲くナデシコ「ミーテ」
サントリーフラワーズの「ミーテ」は摘芯(ピンチ)や切り戻し不要で簡単に育てられるので、初心者さんでも育てやすいのでおすすめのナデシコ品種です。
一輪の花が長く咲き、次々と花を咲かせながら、やがては豪華な満開姿に成長します。鉢植えはもちろん、花が長く咲くので切り花にして飾っても楽しめます。
育ち始めは小鉢で可愛らしく楽しむ
育ち始めのミーテは、小鉢で可愛く花を楽しむのがおすすめです。基本は屋外で育てますが、ちょっとだけ玄関や窓辺に移動させて家の中でも飾って楽しめます。
切り花でも長く花を楽しめる
切ったお花は室内の好きな場所に飾れば、お部屋の中もほっと和む花のある空間に。 花瓶がなくても、コップや食器、身近な小物にそっと活けただけでも絵になります。
豪華な満開姿を楽しめる
成長につれ次々に花が咲き、やがてはボリュームいっぱいの満開姿に!
◇ミーテのもっと詳しい情報を知る | サントリーフラワーズ (suntory.co.jp)
ナデシコの栽培環境は?苗や土の選び方は?
ナデシコを育てる前のチェックポイントです。
「種」を蒔いて育てる方法もありますが、ここでは種より簡単で初心者にも育てやすい「花苗」を植える方法をご紹介します。花苗は植え込み時期となる3月~6月に園芸店やホームセンターなどで購入することができます。
栽培環境 | 日当たりや温度は?
ナデシコは半日以上、直射日光の当たる屋外で育てます。
夏場の強い西日は避け、大雨や台風などの激しい雨風には直接当たらないようにしてください。
寒さに強いので温暖な地域では冬越しできることもあります。真冬は一旦生長の動きがまったくないように見えたり、花がお休みになったりするためつい心配になりますが、気温が高くなっていくにつれ再び動き始めますので焦らず見守ってあげましょう。
鉢植えの場合は霜や雪を避けた0℃以上の場所へ移動していただくことがおすすめです。
苗の選び方 | どんな苗を選べばいい?
「良い苗」は、根本がしっかりしていてグラグラしない、茎が太い、黄色い葉がない苗です。虫がついてないかも確認しましょう。
土選び | 苗の植え付けには草花用の培養土を。
園芸店やホームセンターで売っている「草花用の培養土」が便利です。元肥が含まれていない土を使う場合は必ず元肥を混ぜます。
土を入れる量は、鉢いっぱいにせず、2~3cmほど下あたりまでが目安です。
鉢底に「鉢底石」を入れると、土の排水性や通気性が良くなります。
サイズが大きすぎると土がなかなか乾かず生長が遅れることがあり、小さすぎると水切れや株が大きくならないことがあります。
鉢・プランター | おすすめのサイズや号数ごとの大きさは?
1株の苗を植える鉢・プランターのサイズは、一般的に8号(直径24cm)くらいがおすすめです。サイズが大きすぎると土がなかなか乾かず生長が遅れることがあり、小さすぎると水切れや株が大きくならないことがあります。また、浅すぎる鉢は根が詰まりやすくなるため適度に深さのある鉢を選びましょう。
◇植え付け | ガーデニング・園芸 | サントリーフラワーズ (suntory.co.jp)
苗の植え付け | 鉢植えと地植えの違いは?
■鉢植えの場合
ビニールポットから苗を取り出し、枯れた下葉がある場合は取り除きます。「鉢底石」を鉢の4分の1くらい入れ、その上から土を入れます。鉢いっぱいに土を入れず、鉢の縁の高さより2~3cm低い位置までにして、ウォータースペースを作りましょう。鉢の縁ギリギリまで土を入れてしまうと、水やりの際に水が上から溢れ出てしまいます。
■地植えの場合
1平方メートル辺りの植え込み株数の目安は品種によっても変わってきますが、「ミーテ」の場合は9株くらいの目安で植えこみます。花苗は育っていくにつれ大きく成長しますので、苗同志をくっつけず、適度な間隔をあけて植えてください。
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ナデシコの上手な育て方
ナデシコの育て方についてご紹介します。ここではサントリーフラワーズの「ミーテ」の育て方を掲載していますが、ナデシコ全般の育て方としても基本的には同じですので、ナデシコの育て方としてご参考にしてください。
ナデシコの基本の育て方3条
(1)園芸店やホームセンターなどで売っている花苗と、草花用培養土を用意します。
(2)花苗をプランター(鉢)などに植え込んで、半日以上直射日光の当たる屋外に置きます。
(3)土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりとお水をあげてください。
◇基本的な育て方 | ガーデニング・園芸 | サントリーフラワーズ (suntory.co.jp)
水やり | 乾と湿のメリハリが大切!
ナデシコは過湿を嫌うので、水はけのよい用土で植え付け、「土の表面が乾いたり鉢が軽くなった時」に鉢底から水があふれるぐらいたっぷりあげます。水のやりすぎは根や株が生長せず根腐れの原因になりますので、土が湿っている時はあげなくてよいです。
肥料 | 成長力と開花力がアップ!
植え付け時に土に含まれていた肥料は、徐々に効き目がなくなっていきますので、花をたくさん咲かせるために、植え付けの約1ヶ月後から、1ヶ月ごとに肥料を与えます。元肥が含まれていない土の場合は、植え付け時に土に元肥を混ぜ込んでおきます
植え付けの約2~3週間後から「液肥」を併用するとさらに開花パフォーマンスが高まります。
お手持ちの肥料に記載されている肥料の使用方法、濃度、頻度を参考にしてください。
◇肥料 | ガーデニング・園芸 | サントリーフラワーズ (suntory.co.jp)
摘芯(ピンチ) | 基本的には不要
ナデシコは、基本的に摘芯(ピンチ)は必要ありません。
切り戻し | 夏を超えて楽しむために!
「ミーテ」については切り戻しは不要です。夏越しのために、花柄を根元から切ったり、枯れた葉を取り除いて、風通しよくしてあげてください。
背丈が高くなる品種は切り戻しをして夏越えするとよいでしょう。開花状況にもよりますが、梅雨に入る前または梅雨時に切り戻しをすると、蒸れを防ぎ梅雨を乗り越えやすくなります。
◆切り戻し方法
全部の枝を半分くらいの高さにカットします。この時、必ず株元に葉を残さないと枯れてしまいますので、葉が付いている手前でカットするようにします。切った花は生け花として飾って楽しみましょう。
◇切り戻し | ガーデニング・園芸 | サントリーフラワーズ (suntory.co.jp)
ナデシコの育て方のポイント
ナデシコの蒸れ対策
ナデシコは丈夫な品種ですが、高温多湿がやや苦手なので、株元の蒸れを避けるため、風通し良い場所で管理してあげてください。雨に当てないようにし、梅雨前には一旦切り戻しをして過湿にならないようにしましょう。
枯れた(傷んだ)葉は早めに切り取ってあげましょう。そのままにしておくとカビ病を誘発する可能性があります。
ナデシコの夏越し
ナデシコは夏を乗り切れば、秋、翌春も花を楽しめます。そのためには春に十分に肥料を与え、株にボリュームをつけることが大切です。
高温になる夏場は直射日光の当たらない風通しの良い場所に置いてください。
さらに、熱を持ったコンクリートに直接置くのは避け、鉢の下にレンガやスノコなどを敷いてあげましょう。
夏場は日中に水やりを行うと、土中で水温が上がりお湯のようになってしまいますので、朝方にあげましょう。昼間にシュンとしている植物を発見しても慌てず夜に気温が下がってから水やりしましょう。
酷暑のダメージが強い場合、残念ながら秋には開花しないこともありますが、翌春の開花を待ちましょう
ナデシコの冬越し
ナデシコは寒さに強いので温暖な地域では冬越しが可能です。真冬は花が一旦お休みになり、動きも止まって見えるためつい心配になりますが、気温が高くなっていくにつれ再び動き始めます。冬の間は水と肥料を控え、動きがのんびりでも焦らず見守ってあげましょう。
春になり新芽が出てきたら、一回り大きい鉢に植え替えてあげましょう。さらに大きく成長し始めます。
ナデシコの病気と害虫
ナデシコは育てやすい花ですが、梅雨の時期は高温多湿による蒸れを防ぐために、水やりは乾燥気味にし、土が湿っている時は水やりを控えましょう。過湿が原因による灰色かび病、うどん粉病、立枯病などの病気を防ぐために大切です。
ハダニやアブラムシ、ヨトウムシなどにご注意ください。虫が付く前に市販の防虫剤で先手を打っておくと安心です。
虫がついた場合は見つけ次第すぐ市販のスプレータイプの薬剤を使うなど対処しましょう。
◇病害虫対策 | ガーデニング・園芸 | サントリーフラワーズ (suntory.co.jp)
見事な満開姿!お客様から頂いたナデシコの写真
「サントリーフラワーズ ガーデニングフェス」にて皆さまが育てて投稿いただいた写真の中から、サントリーフラワーズのナデシコ「ミーテ」の素敵な写真をいくつかご紹介します。愛情こめてすくすく育ち、満開に咲き誇った姿がとても見事です!
シュガーバイン様
こずたん様
Hana*恋様
モフモフうさぎ様
◇画像投稿サイト みんなのサントリーフラワーズ (外部サイト)
いかがでしたか?おうちのお庭や玄関、ベランダなどで気軽に育てられるナデシコ。万葉集の時代には既に日本でも愛されていただけあって、日本の景色にもとても似合います。そんなナデシコが気になりましたらぜひチェックしてみてください。
◇「サントリーフラワーズ花苗」の販売店検索をする
※品切れの場合もございますので、事前に販売店までご確認いただきますようお願いいたします。