64グリーンカーテンの作り方・花や野菜のカーテンにおすすめの植物
緑のカーテンの効果は?初心者でも育てやすく夏を快適に!
年々猛暑日が増えてきた日本の夏。おうちで少しでも快適に過ごすための工夫の1つにグリーンカーテンがあります。エアコンの消費電力を抑えることで電気代を削減できて、省エネにもなりますので、各自治体でも推進されていますし、環境省主体の「グリーンカーテンプロジェクト」もありました。
主につる性の植物をネットやフェンスなどに絡ませながら育てた緑のカーテンは、直射日光を遮ってくれるだけでなく、葉の蒸散作用で空気を冷やし、外からの目隠しの役割も果たしてくれます。
花や葉、実もつけるグリーンカーテンはおしゃれな見た目も楽しめますし、美しいフラワーレースカーテンも、作り方は意外と難しくありません!
そこで今回の特集では、基本的なグリーンカーテンの作り方と豪華なフラワーレースカーテンの作り方のご紹介、<初心者の方にも育てやすいグリーンカーテン作り>におすすめの花や野菜のご紹介、グリーンカーテンのメリットや効果などをご紹介します。
これからの時代にぜひ緑のカーテン作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか
目次
グリーンカーテンを作り始める時期は?
グリーンカーテンにしたい植物の種や苗を植えこんでからカーテンになるまでの期間を逆算して植えこむのがコツです。植物によりますが、2~3か月前から準備した方がベストです。
グリーンカーテンに適した植物は、夏の直射日光や暑さに強い代わりに、冬の寒さには強くないですので、暖かくなってから植えこむのがおすすめです。4月下旬~5月中がもっともベストな植え込み時期でしょう。
グリーンカーテン作りに必要なアイテムを揃える
グリーンカーテン用の植物は、種を蒔いて育てる方法と、苗を植えこんで育てる方法があります。ここでは種より簡単で初心者にも育てやすい「苗」を植える方法をご紹介します。
作りたいグリーンカーテンの広さやイメージが決まったら、緑のカーテン作りに必要なアイテムを揃えましょう。苗やガーデニアイテムは園芸店やホームセンター、ネットなどで手に入ります。
(1)ネットや支柱 | つるを絡ませるアイテム
作りたいグリーンカーテンの広さや高さが決まったら、それに合わせたネットや支柱を準備します。購入前に高さや幅などの長さを計ってメモをしておきましょう。
(2)プランター・鉢 | 余裕あるサイズがおすすめです
グリーンカーテンの広さに合わせてプランターを数個用意します。浅すぎる鉢や小さすぎる鉢は、根が詰まりやすく、土中の水分不足にもなりやすいため、ある程度深さや大きさのある形を選びましょう。
底に穴がない容れ物を使う際は、必ず水を流すための穴を底に開けてください。
(3)苗 | どんな苗を選べばいい?
3ヵ月以上もかけて生産者さんによって丁寧に育てられた苗は、タネよりも簡単に育てられるのでガーデニング初心者の方にもおすすめです。
「良い苗」は、根元がしっかりしていてグラグラしない、茎が太い、黄色い葉がない苗です。虫がついてないかも確認しましょう。
(4)土 | 花や野菜用の「培養土」がおすすめです
ガーデニングや家庭菜園には有機質に富んだ水はけの良い土が適していますが、園芸店やホームセンターで花や野菜用の培養土が売っていますので、そちらを選んでいただくのが一番間違いありません。市販の培養土には元肥も含まれています。もし元肥が含まれていない土を使う場合は必ず元肥を混ぜます。
(5)鉢底石 | 水はけが良くなります。
鉢底に敷くことで、土の排水性や通気性を良くし、根腐れの予防になります。鉢・プランターの底に穴が少ししか開いていなかったり、テラコッタ鉢の時は使った方が良いでしょう。
グリーンカーテンの基本的な作り方
(1)ネットを組み立てます
ネットをぶら下げる場所がある場合は、上部をぶら下げる場所に固定し、ネットの下部をプランターに固定します。
ぶら下げる場所がない場合は、支柱や物干し竿などを使って組み立てます。プランター内に支柱の根もとをしっかり固定し、ネットの中にも縦に支柱を数本通すと、ネットがたるまずしっかりしたカーテンになります。
(2)プランターに培養土を入れます
プランター、苗、土、(可能なら鉢底石も)を用意します。
鉢底石を鉢の4分の1くらい入れ、その上から土を入れます。鉢いっぱいに土を入れず、鉢の縁の高さより2~3cm低い位置までにして、ウォータースペースを作りましょう。鉢の縁ギリギリまで土を入れてしまうと水やりの際に水が上から溢れ出てしまいます。
(3)苗をプランターに植えこみます
ビニールポットから苗を取り出し、枯れた下葉がある場合は取り除きます。ポリポットから出した苗は土を落とす必要は基本的にありません。根が回っていてガチガチになっている場合のみ根を傷めないよう優しく根崩ししてください。
苗の土の表面と植え込んだ土の表面の高さを揃え、根がむき出しにならないように植え付けます。
植え終わったらたっぷりと水を与えてください。
(4)摘芯と誘引
ゴーヤの本葉が6?7枚になったら、親づるの先端の芽を摘芯します。子づるを横に誘引してネットに留めていきます。誘引は麻ひもや、柔らかい素材のものを使いましょう。新しいつるが伸びてきたら、適宜摘芯をして同じ作業を繰り返します。
グリーンカーテンの管理方法
グリーンカーテンの水やり
プランター栽培の場合、土が乾きやすいので土の表面が乾いたらプランターの底から水がにじみ出てくるくらいたっぷりとあげましょう。特に夏の暑い日は気温の下がっている朝や夕方に水やりをしましょう。
グリーンカーテンの追肥
1ヶ月に1~2回、固形の肥料または液体肥料を与えましょう。
グリーンカーテンの病害虫に気を付けよう
代表的な害虫は【アブラムシ】、【ハダニ】です。全体に広がると、ゴーヤが枯れる事もありますので葉の裏を良く観察して見つけ次第、駆除しましょう。また市販の害虫駆除剤を使いましょう。
代表的なかかりやすい病気は【うどんこ病】、【灰色かび病】、【つる割病】などです。
感染した場合は感染した葉を早めに切り取り処分しましょう。
グリーンカーテンの害虫や病気対策
病気は雨の跳ね返りや、ちょっとした傷跡などから簡単に発生してしまいます。雨の跳ね返りは株元にわらを敷くなど対策しましょう。適度に葉をすき風通しをよくし、できるだけ日差しの良い場所に設置しましょう。病気が早い段階で確認できれば、病気になった葉をとったり、害虫を直接捕殺するなどして対策しましょう。
グリーンカーテンを作るときの注意点
グリーンカーテンを作るときの6つの注意点
①日照と風通し
グリーンカーテンを育てる場所は、日当たりが良く風通しの良い場所を選びましょう。日照不足だと植物の成長が遅れるため、できるだけ直射日光を受ける場所を選びます。
②水やり
毎日の水やりが必要です。特に夏場は乾燥しやすいので、こまめに水を与えましょう。土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。
③肥料
肥料を与えて栄養を補給しましょう。野菜用の液体肥料や固形肥料を使用します。成長期には特に窒素を多く含む肥料を与えると良いです。
④摘芯と誘引
成長したつるを適宜摘芯して、植物のバランスを保ちます。ネットや支柱を使ってつるを誘引し、美しい形に整えましょう。
⑤害虫対策
アブラムシやハダニなどの害虫に注意しましょう。定期的に葉の裏をチェックして、早めに駆除します。
⑥収穫
実を収穫する際は、完熟したものを選びましょう。ゴーヤの場合、黄色い花が咲いた後、2?3週間で実が成熟します。
台風や強風時の対策
園芸用ネットいっぱいに葉や実が生育すると、重みが増して強風が吹くと更に荷重がかかります。台風の接近が予想される場合は、支柱やネットはしっかり固定しましょう。支柱とネットを植物ごと取り外せるようにするなど、設置方法を工夫すると安心です。また、集合住宅などではつるが階上や階下へ伸びないよう注意しましょう。
綺麗な花咲くフラワーレースカーテンの作り方
グリーンカーテンと言えば、葉で覆われるものを想像する方も多いと思いますが、部屋の中の明るさは確保したい方には適度な隙間があり、ところどころ花を咲かせたフラワーカーテンもおすすめです。
見た目も美しく、風通しも良いので部屋の中に溜まった暑い空気を入れ替えながら、日陰を作る役割も果たします。
そんな素敵なフラワーレースカーテンやフェンスの作り方をご紹介します。
フラワーレースカーテンの作り方とポイント
写真はサントリーフラワーズのつる性植物「サンパラソル」シリーズの花苗のカーテンです。
花苗をプランターで植え込み、ネットや紐、支柱などを立てると、植物がつるを絡ませながら育っていきます。成長とともにつるが上へ上へと伸びていき、美しいフラワーレースカーテンに仕上がっていきます。
ポイント:最初の花は少し摘みとった方が生育が良くなります。
横に伸ばしたい時は45cm程度までで折り返すと、脇芽が生えやすくなります。45cm以上ですと生育が悪くなります。
サンパラソルのフラワーレースフェンス
「サンパラソル」シリーズの花苗を植えこんだプランターをおうちのフェンスや垣根の下に置くと、植物がつるを絡ませながら育っていきます。成長とともにつるが上へ上へと伸びていき、大きな花が見ごたえのあるフラワーフェンスに育っていきます。
表側(7月上旬)
裏側(7月上旬)
通りから見た様子(7月下旬)
初心者の方にも育てやすいグリーンカーテン作りにおすすめの植物は?
グリーンカーテンとして仕立てるためには、つるがぐんぐん伸びてネットやフェンスなどに巻き付きやすい、つる性の植物が適しています。
つる性植物の中には繁殖力が旺盛すぎる植物もあり、お庭を占領してしまったり、他の植物や木にまでつるを伸ばして枯らしてしまう場合がありますので注意が必要です。
サントリーフラワーズの花苗・野菜苗の中から、<初心者の方にも育てやすいグリーンカーテン作り>におすすめの品種をセレクトしいてご紹介します。
花のグリーンカーテン 涼しくて花も楽しめる
クライミング サンパラソル(キョウチクトウ科マンデビラ属)
中南米にルーツを持つので日本の夏の暑さに強く、2~3日水やりをしなくても平気なので、つい水をやり忘れてしまいがちな方にも管理が楽です。
美しい照り葉、トロピカルで鮮やかな赤やピンク、夏に爽やかな白などの花色が魅力で、夏から秋まで花が長く咲くので、暑い季節のガーデニングに人気の花です。
花が咲く前からつるがぐんぐん上に登っていく性質なので、ネットや支柱、フェンスなどに下から上へ這わせたグリーンカーテンにおすすめです。
花の大きさは<大輪系と中輪系>の2種類!
大輪系
中輪系
大輪系は花も葉も大きくダイナミックな雰囲気、中輪系は葉が柔らかくたおやかな雰囲気のタイプです。
特に大輪系「レッド」は豪華さ・生育力がこれまでにない進歩を遂げたサンパラソルシリーズ最高傑作のレッドで、グリーンカーテンを作るのにもお勧めです!
クライミング サンパラソルは大輪と中輪のラインアップとなっております。
詳細は下記クリックボタンから↓
ロフォス(ゴマノハグサ科アサリナ属)
爽やかな葉色で美しくしだれ咲くロフォスは、花の彩りも楽しめるグリーンカーテンにぴったり。育てやすく、暑さや水切れに強いので夏のガーデニングに最適です。
ぐんぐんつるが伸びるので、ハンギングで美しく垂らしたり、プランター植えでベランダや窓辺に垂らすタイプのグリーンカーテンになります。
下から上へ伸ばす場合は、伸びるつるを上下方向や左右に誘引します。
葉のグリーンカーテン 涼しくてオシャレな葉も楽しめる
クライミング テラス(ヒルガオ科イポメア属)
クライミング テラスの中では、おしゃれでシックな銅葉の「ノワール」は薄いピンク色の花も楽しめます。
「ライム」と「セピア」は涼しげでシックな色合いの葉を楽しむ観葉植物です。
暑さに非常に強く、乾燥・水切れにも強いので夏のガーデニングに最適です。
つるが上に登っていく性質なので、ネットや支柱、フェンスなどの下から這わせたグリーンカーテンにおすすめです。お庭やベランダのスペースに合わせたサイズで、いろいろな立体感あるグリーンカーテンをお楽しみいただけます。
テラス ライム(ヒルガオ科イポメア属)
花はあまり咲かないのですが、涼し気な色合いの葉を楽しむ観葉植物です。日向でも葉焼けせず、育てやすく、暑さや水切れに強いので夏のガーデニングに最適です。
つるが伸びるので、ハンギングで美しく垂らしたり、プランター植えでベランダや窓辺に垂らせば下階のグリーンカーテンになります。伸びるつるを上下方向や左右に誘引して、全体を茂らせることもできます。
■夏に涼しい!「テラスライム」。光を反射し熱をこもらせない。
明るいライムグリーンの「テラスライム」の葉は光の反射率が高いので熱をこもらせず、蒸散能力が高いのでグリーンカーテンはもちろん、屋上緑化にもおすすめです。
【屋上緑化での植物表面温度】
野菜のグリーンカーテン 涼しくて実も楽しめる
本気野菜ゴーヤ デリシャスゴーヤ・細長
グリーンカーテンとしての育てやすさと、生でも食べられるおいしさも魅力のゴーヤです。
分枝性が高く生育旺盛で、後半まで長く収穫可能なので育てがいがあります!
とげの無いツルツルとしたライムグリーンの美しい果実は、生でも食べられる “おいしい苦味”。サラダや和え物など、幅広いレシピが楽しめます。
本気野菜ゴーヤ しろくまゴーヤ
白ゴーヤの中では早生で、収穫数が多く後半まで長く生り続けます。
苦味の少ない純白な果肉は、サラダをはじめ、さまざまなメニューの彩りで活躍します。
生ハムとも会いますので、イタリアン風のサラダにしても美味しい上に見た目もおしゃれです。
本気野菜キュウリ 強健豊作
キュウリ栽培の大敵【うどんこ病】や【べと病】に大変強く、早く実り、 長く生り続けます。
屋外での耐病性と生育力を3年間調査して選ばれた、作りやすさと美味しさを兼ね備えたキュウリです。
フレッシュでキュウリらしいキュウリの味ですので、普段のキュウリを使った様々なレシピで楽しめます。
グリーンカーテンのメリットと効果
(1)直射日光を和らげる
グリーンカーテンが日陰を作ってくれることで、部屋の温度の上昇を抑えてくれます。
植物のカーテンはスダレや布などのカーテンよりも熱をカットする作用が高いと言われています。
それは、植物には打ち水効果のような蒸散作用があるためです。
(2)葉の蒸散作用で空気を冷やす
葉には蒸散作用があり、周囲を涼しくする作用があります。
植物は、水分を吸収しながら呼吸をし、葉の表面にある気孔から水蒸気や酸素を吐き出します。
葉の気孔から水蒸気が放出されることで、周囲の空気を冷やすからです。
(3)外からの目隠しの役割
おうちの中を涼しくしてくれるのはもちろん、外側からはグリーンカーテンで部屋の中が見えにくくなります。植物なので見た目もおしゃれな目隠しになりますね。
(4)癒しと心地好さの心理的作用
植物には心をリラックスさせたり和ませたりする、精神によい働きをもたらします。
部屋の中から眺めるグリーンカーテンは、涼し気な色合いも心地よく、花が咲いたり実を収穫することでさらに日々の楽しみが増えます。
(5)エコ(節電)・地球温暖化防止
グリーンカーテンによっておうちの中が涼しくなることで、冷房などの電気使用量も減らす節電対策にもなります。
また、子供たちと一緒にグリーンカーテンを育てることで、植物を通して太陽や土に触れ、自然や生命の繋がりを学び、地球温暖化防止の大切さを学ぶ機会になります。
まとめ | グリーンカーテンで快適な夏に
植物のカーテンは直射日光を遮ってくれるだけでなく、葉の蒸散作用で空気を冷やす役割もあるので、エアコンなどの電気代削減にも大いに役立ちます。
さらにおうちの中から見た景色の美しさは人の心に良い心理的作用をもたしてくれますし、外からはおしゃれな見た目だけでなく目隠し効果もあります。
葉や花を眺めたり、実を食したりして楽しみながら、自然と環境にも優しいグリーンカーテンは、快適な夏を過ごすためのアイテムの一つとして、これからの時代にますます重宝されていくのではないでしょうか。