天然水の森 とうきょう檜原
この森は、「サントリー 〈天然水のビール工場〉 東京・武蔵野」「サントリープロダクツ(株) 多摩川工場」の水源涵養エリアに位置しています。
このページでは「天然水の森 とうきょう檜原」の取り組みをご紹介します。
シカの採食圧対策
全国各地で、シカやサル、イノシシなどが増えすぎ、さまざまな被害が出始めています。この森でも、本来地表を覆っていた草が、増えすぎたシカに食べ尽くされる「採食圧」の被害が出ています。
草を食べ尽くされ剥き出しになった土は、雨に流れやすくなり、急斜面では土砂崩れの危険性が高まります。下の写真の場所では、土壌流出が始まっていて、根が浮き出てしまっています。
下の写真は、一見きれいに整備されたように見える広葉樹林ですが、よく見ると、シカによって草木だけでなく、シカの口が届く高さの枝葉が全て食べ尽くされてしまっています。
シカは、草と葉だけでなく、木の皮(樹皮)を食べることもあります。この森の立派なスギも、シカに樹皮を食べられる被害にあっています。樹木は、全周の樹皮を剥されると根から水分や養分を吸収できず、やがて枯れてしまうこともあります。
せっかく新しく芽生えた広葉樹の苗も大きくなる前にシカに食べ尽くされる可能性があります。
この森では、生物多様性を高めるために、針葉樹の人工林を小面積で皆伐し、広葉樹に樹種転換する整備を順次進めていますが、その際にも、植樹の前に必ず植生保護柵を設置するようにしています。
獣害対策について見る「天然水の森」で行う社員の森林整備体験
サントリーでは、グループの社員が、「天然水の森」で、下草刈りや枝打ち、植樹などの森林整備を体験することで、コーポレートメッセージに掲げる「水と生きる」の理解を深める研修を実施しています。
2023年5月から、ここ「天然水の森 とうきょう檜原」でも研修(植樹)が開始されました。
研修の前に森林整備のプロたちに依頼し、人工林を皆伐した跡地を地拵え(※)し、安全に配慮した歩道をつくりました。さらに、シカの採食圧から植樹エリアを守るために、金属製の植生保護柵を設置してもらいました。
植栽前に、不要な雑草木を除去したり、散乱している枝や折れた幹などを片付けたりする作業のこと。植栽の効率化や安全性を高めるだけではなく、その後の作業全てに関わる大切な作業。「じごしらえ」と読む
檜原村は急峻な地形が多く、集落の南側斜面に高い木を植えると日照時間に影響を与えてしまう可能性があるため、あまり高く育つ木は植えられません。植樹する木は地元の皆さんにも相談しながら選び、この日の研修では、10種類の広葉樹を植え付けました。
植樹した苗木は、根付かず枯れてしまうこともあります。だからこそ、プロの指導を受けながら社員の手で一本ずつ丁寧に植樹しました。
協定地の詳細情報
- 所在地
- 東京都西多摩郡檜原村藤倉/小岩/上元郷/下元郷
- 面積
- 約96ha
- 協定年月
- 2023年2月
- 協定期間
- 30年
東京都檜原村、檜原村木材産業協同組合と森林整備に関する協定を締結。
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