SUNTORY CHALLENGED SPORTS PROJECT

vol.6「バスケとの出会いが私のすべて。だからコートに立ち続けたい」 車いすバスケットボール 萩野真世選手

vol.6「バスケとの出会いが私のすべて。だからコートに立ち続けたい」 車いすバスケットボール 萩野真世選手

宮城MAX、女子チームSCRATCHの両方で主力としてプレーし、女子車いすバスケの将来を担う1人として期待される萩野真世選手。

かつては「スポーツは好きだったけれど引っこみ思案だった」という彼女と、車いすバスケとの出会いがもたらしたあくなきチャレンジスピリットについて語ってもらった。

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─ まずは萩野さんが宮城MAXに入った経緯からうかがえますか?

中学生の頃、宮城MAXの選手が取り上げられていた記事を読んだことが車いすバスケを意識し始めたきっかけです。その後、宮城県で行われた女子の日本代表合宿に母に見学に連れて行ってもらったのですが、そこで見た選手たちが本当にカッコよくて。その時に、今もチームメイトとして一緒にプレーさせてもらっている藤井(郁美)選手から「仙台でも練習をしているよ」と声を掛けられ、宮城MAXの練習に足を運ぶようになりました。

── 宮城MAXは日本選手権10連覇中の強豪チーム。その中でプレーしていることにどのようなやりがいを感じますか?

私が入った当時はちょうど日本選手権で初優勝した頃でしたが、すごい選手がいっぱいいるという話は聞いていました。でも本当の意味でレベルの高さを体感させられたのは本格的に練習に参加してから。「ああ、これが勝ち続けているチームなんだ」って。まぁ、今も変わらず揉まれ続けていますけれど(笑)、やはり強いチームでやれていることが自分のスキルアップに繋がっていますし、2年前くらいからは日本選手権などが男女混合になっていることもあって男子とのスピードの差を埋めるためのトレーニングも力になっています。様々な部分で、すごく良い環境でバスケをやらせてもらっている実感はありますね。

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ちなみに、趣味やオフのリラックス法みたいなものはあるのでしょうか。

趣味ですか...とくにないというか、バスケ以外あまり好きなことが思いつかないんですよね(笑)。しいて挙げるならクルマの運転でしょうか。必然的に競技用車いすなど荷物が多いので移動はクルマが多くなるのですが、自分1人でどこへでも行けるのはとても便利ですし、運転している時間も好きです。仙台から東京の移動も全然苦にならないですね。

── 日本選手権は男女混合、代表チームで臨む国際大会は男女別。そのあたり、試合に臨むスタンスにはどのような違いがありますか?

男子選手に混ざると小さくてどこにいるんだろうという感じに見えると思いますが(笑)、だからこそ影の仕事と言いますか、ハイポインター(障がいの程度が軽い、持ち点の高い選手)を生かすための連携プレーに重点を置いています。それに女子が入ることでチーム全体の持ち点から1.5がマイナスされ、より持ち点の高い男子選手を起用できるメリットもあります。逆に女子の試合では、自分がメインとなって、積極的にボール運びや得点に絡むプレーを心がけています。

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PROFILE

はぎの まよ●サントリー チャレンジド・アスリート奨励金 第1〜5期対象選手
サントリーオフィシャルパートナーチーム「宮城MAX」「SCRATCH」所属
車いすバスケットボール日本代表候補
1993年3月9日生まれ、宮城県仙台出身。脊髄腫瘍によって幼少から車いす生活になるも、野球をしていた兄の影響でスポーツに関心を持つ。そして地元で開催された日本代表合宿の見学を機に、2009年から宮城MAXならびに女子車いすバスケットボールチームSCRATCHで本格的に競技生活をスタート。これまで宮城MAXの日本選手権10連覇、SCRATCHの2011年女子選手権優勝に貢献しているほか、日本代表としても数々の国際大会で主力として活躍。

Photos:Takemi Yabuki[W] Composition&Text:Kai Tokuhara

PASSION FOR CHALLENGE
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