箸やすめコラム
平尾幸司KOJI HIRAO
中古マンションのワンストップリノベーションサービス「リノべる。」の設計デザイナー。昨年、自らの設計で築38年のマンションをフルリノベーションしたマイホームを完成。妻と3歳の子どもとともに充実した家時間を過ごしている。
▼リノベる。公式サイト
https://www.renoveru.jp/?utm_source=st&utm_medium=site&utm_campaign=tyo_st_site_nrt_non_cta_no_no_jp-no-r-_
“その人らしさ”にあふれた晩酌風景を紹介してきた本コラム。今回訪ねたのは、自分好みの「空間づくり」にこだわって晩酌の時間を彩っている平尾幸司さんのご自宅。マンションのリノベーションを手がける設計デザイナーの平尾さんが、わが家で叶えたお気に入りのポイントと、そこで楽しむ金麦晩酌の様子を見せていただきました。
※感染対策を徹底した上でインタビュー・撮影を実施しています。
「ここに暮らし始めて、家で過ごす時間が格段に増えました」
そう話しながら、住まいを案内してくれた平尾さん。築38年のマンションの一室(約58平米)をフルリノベーションし、元は2DKの間取りをオープンな造りの1LDKに。天井や壁は躯体のコンクリートを生かした無機質なテイストに仕上げました。
「目指したのは『ノイズのない家』。やっぱり家はどこよりもリラックスできる場所にしたかったので、ストレスを感じる煩雑な色味や雑多な生活感を一つひとつ省いていきました」(平尾さん)
その言葉どおり、グレーを基調としたシンプルな空間は、キッチンまわりの生活用品や家電の配線さえも視界に入らないよう工夫されています。理想の空間を手に入れた平尾さんは、「ふだんの料理や趣味の植物栽培がさらに楽しくなった」と、家時間を存分に満喫しているようです。
そんな家時間の中でも、平尾さんが特にお気に入りだと話すのが、夕方から夜にかけての時間です。
「実は、空間づくりで最もこだわったのが『照明』なんです。照明は、住まいの心地良さを左右するとても重要なポイントだと思っていて、リノベで絶対に叶えたかった一つ。知人の照明デザイナー(https://lightrange.jp/)に依頼して、照らす場所や角度、光の加減まで綿密に計算して設置しました。夜になると、各所の照明が絶妙なバランスで部屋を照らすのが良い感じで気に入っています」(平尾さん)
必要な明るさは確保しつつも全体的には明るすぎず、まるでおしゃれなカフェ・バーのような雰囲気。リラックス感があるのはもちろん、間接照明が壁や天井を照らすことで奥行きが感じられ、部屋を広く見せる効果もあるのだとか。
そして何より、この落ち着いた雰囲気はしっぽりと晩酌を楽しむのにもぴったり! というわけで、ここからは平尾さんの晩酌の様子ものぞかせていただきました。
キッチンに立つと、平尾さんは冷蔵庫からタッパーに入った常備菜を次々と取り出し、盛りつけ始めました。
「夫婦共働きなので日頃から家事を分担していて、僕は主に料理担当。休みの日に1週間分の常備菜を5品くらいまとめてつくり、仕事の日は帰って盛りつけるだけで、すぐに晩酌を始められるようにしています」(平尾さん)
粒マスタード入りのポテサラ、生姜焼き、梅と蓮根の和えもの……など、どれもお酒が進みそうなおつまみばかり。なかでも人参、玉葱、にんにくをベースにした自家製ドレッシングは、「無限にサラダが食べられる!」と、ご家族にも好評の一品だとか。
「今日のおつまみは金麦にもよくあいますね! 金麦が季節ごとに味を変えていることを知ってからは、その違いをじっくり味わっています。
ここで暮らし始めて、すっかり外よりも家での晩酌を選ぶようになりました。自分の“好き”を住まいに反映すると、何気ない家での時間や過ごし方がこんなにも充実するんだなあと、あらためて実感している毎日です」(平尾さん)
いかがでしたか? さあ、日毎に寒さが増すこれからの季節。あたたかくしたわが家で、豊かに仕立てた金麦でゆっくりとおうち晩酌を楽しみながら、将来の理想の住まいや暮らしに思いを巡らせてみませんか。
「インドアグリーン」
エバーフレッシュ、フィカス・ウンベラータ、エアプランツetc. 日々増殖中の植物を愛でながら晩酌するのが日課。