箸やすめコラム
新ジャンルなんてどれも同じと思っていませんか?
ウイスキーやプレミアムビールはこだわってつくられても、新ジャンルに違いはないと思いながら、晩酌をされている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
「金麦」は、季節の旬食材との相性がよくなるように金麦醸造家がこだわって季節ごとに味わいを変えていて、「春の味の金麦」は春野菜などの旬の食材と合わせやすいように、かろやかな味わいに設計されています。
では、「本当に相性が良いか?」というみなさんの疑問に応えるべく、人工舌こと「味覚センサーレオ」を使った相性実験をしてみました!
INDEX
1.日本人が“おいしい”と感じる味のバランスは?
2.金麦は季節ごとに味を変えている
3.飲みやすく爽やかな「春の金麦」と、相性がよい条件は!?
4.いざ、実験! 春の味の金麦との相性は?
5. 気になる結果を発表!
6. 旬の食材のポテンシャルが、「春の味の金麦」との相乗効果を生む
今回は、味覚センサーレオ開発者であり、TVや書籍などを通して味覚の知識を広めている、味覚研究家・鈴木隆一さん監修の下、実験を行いました。
まず人間の舌が感知できるのが、5味といわれる、甘味・旨味・苦味・塩味・酸味の5つだといわれています。鈴木さん曰く、人間が“おいしい”と感じる料理は、この5味のうち、2つもしくは3つの味のバランスが均等に取れている場合だとのこと。
鈴木さん:こちらのレーダーチャートを使って解説すると、人間にとってベストな味のバランスは、3つの頂点を結んだ三角形(左)、中心と2つの頂点を結んだ三角形(右)の2つのパターンが考えられます。前者がスナック菓子やプリンなど、後者がインスタントコーヒーなどに代表される味構成です。
“おいしさ”のロジックを理解したところで、今回の目的である相性度について考えたいと思います。今回実験する「金麦」は、金麦醸造家の長年の経験による知識と技術で、旬の食材に合う味わいを追求し、季節ごとに味わいを変えているんです。
その発端は「食材は季節によって味が変わるのに、ビールだけいつも同じ味でいいのか?」という金麦醸造家の何気ない疑問でした。麦のうまみと澄んだ後味という「金麦」ならではの特性を活かしながら100回以上に及ぶ試作を繰り返し、春夏秋冬に応じた麦の味わいと刺激感のバランスを調整することに成功。四季折々の食材に合う4種の味わいを完成させました。
季節を迎えた「春の味の金麦」の特長は、春野菜に代表される旬の食材と合わせやすいようにかろやかに仕立てられているということ。口を近づけると麦の香りがふわっと広がり、舌の上をかろやかな苦味と酸味が優しく包み込みます。
そんな「春の味の金麦」は、本当に春の食材と相性がよいのでしょうか? そのなかでもどんなおつまみがベストなのでしょうか。鈴木さんと一緒に科学的に実験していきます!
今回、相性度を算出してくれるのが、鈴木さんが独自に開発した人工舌「味覚センサーレオ」です。3,000パターンに及ぶ日本人の味覚をAI(人工知能)に学習させ、人の味覚を限りなく微細に数値化してくれます。
「味覚センサーレオ」が算出するデータで見るべきポイントは、ズバリ2つ!
鈴木さん:ひとつ目が、2つの料理がもっていない味を補い合っていること。たとえば『春の味の金麦』は酸味と苦味のバランスに優れているので、それ以外の甘味と塩味、旨味を持っている食材との相性度が高いということになります。
さらに、鈴木さんによると2つの料理がもっていない味を補い合っているうえで、互いの味の数値が同じくらいであるとより高得点を狙えるそうです。
鈴木さん:ふたつ目が、『コク』の数値。5味とは別に、『コク』も『味覚センサーレオ』の特別な計算で算出することができるのですが、2つの料理の『コク』の数値が近ければ近いほど相性度が高くなります。片方の料理だけ『コク』が高いと、もう一方の料理の『コク』を打ち消してしまうので相性は高くなりません。
さて、ここまでの鈴木さんの解説を踏まえて、春の食材を選定していきます。事前の実験で「春の味の金麦」は、苦味と酸味のバランスが絶妙という結果が出たので、その2つとは異なる味の食材を選びます。
まずは使う食材として甘みの強い春野菜である、春キャベツと新じゃが、そして旨味が豊富だといわれるタケノコをセレクト。調理は、素材を極力活かしたさっぱりとした味付けとしてあえ物と炒め物を、濃い味付けとして煮物という2つの方向を用意。果たして、結果はどうなるのでしょうか?
【第3位】
相性度93.1点。ホクホクで優しい「新じゃがの甘辛煮」
最初に、水分と甘みをたっぷりと含んだ「新じゃがの甘辛煮」で実験。淡いベージュの薄皮をまとった新じゃがをホクホクにゆで上げて、砂糖と醤油で甘辛く煮付けたシンプルな煮物に仕立てました。ご飯のおかずとしてはもちろん、金麦ともよく合いそうです。
その結果は……、甘味は4段階中2.55ポイント、塩味は3.11ポイント、旨味は2.92ポイントを記録。これを鈴木先生に教えてもらったロジックに当てはめると、3つの味が2.9ポイント前後と同じくらいなので、数値のバランスもバツグンです! ちなみに、この数値は春の味の金麦の数値ともかなり近い値でした。
また、相性度をはかるのに重要となるコクの数値は、「春の味の金麦」と0.13ポイント差とかなりの微差に。よって相性度は93.1点と好スタートを切りました。
ちなみに、一般的に相性がよいといわれるビールとえだまめの相性は90点だとか。それを踏まえるとこの点数がかなり高得点だということがわかります。
【第2位】
相性度98.1点! 食感を楽しむ「タケノコのバター醤油炒め」
続いて「タケノコのバター醤油炒め」です。朝採れのタケノコを丁寧にあく抜きし、コク深いバターでソテーしたあと、鍋肌に醤油をひと垂らし。鼻腔をくすぐるバターの豊かな香りと旨味が、食感爽やかなタケノコを引き立てて、「春の味の金麦」とのマッチングが期待されます。
その結果は……、甘味が2.04ポイント、塩味が3.38ポイント、旨味が3.21ポイントを記録。一方で、塩味と旨味のバランスが絶妙で、レーダーチャートはキレイな三角形が完成! これまた春の味の金麦の数値とも非常に近い結果に。
そして注目すべきはコクの数値です。なんと、「春の味の金麦」と同じ数値を記録。このことが得点に大きく貢献し、相性度は98.1点と満点に近い数字を叩き出しました。ここでも、春の食材との相性がよいという実験結果でした。
【第1位】
相性度98.9点! シンプルにおいしい「春キャベツの塩昆布あえ」
最後に、「春キャベツの塩昆布あえ」を検証します。みずみずしくやわらかな春キャベツにはほんのりとした甘さがあります。対照的に塩気と昆布の旨みをギュッと凝縮した塩昆布をあえるだけの簡単なおつまみですが、箸が止まらなくなる魅力を備えたひと品といえます。
その結果は……、甘味は1.63ポイントに対し、塩味が3.47ポイント、旨味が3.3ポイントを記録。甘味の数値は低いものの、「しょっぱくておいしい」というシンプルな料理の特性が数値のうえでもよくわかります。
さて、コクの値を見ていきましょう。「春の味の金麦」と比べてみるとわずか0.05ポイントと微差。また、塩味と旨味のバランスが「春の味の金麦」の苦味と酸味のバランスの数値と近しいことが功を奏して、98.9点と最高得点を獲得しました! 今回の検証のなかでベストな組み合わせは、食材の魅力をシンプルに楽しめるこちらのひと皿に決定です。
実験終了後、一部始終を見守っていた編集スタッフが3つのメニューと「春の味の金麦」で食べ合わせしてみたところ、いずれも好相性と感じ、なかでも、素材そのものの味総量の多さ、旨味、香りを生かしたシンプルな料理「春キャベツの塩昆布あえ」が、旬の食材の傾向や気温の変化などに合わせてその季節に適した味につくられた金麦と、最も絶妙なマリアージュを楽しませてくれると感じました。
味覚センサー「レオ」おすすめ!“春の食材”と「春の味の金麦」をぜひご一緒に
料理と飲み物の相性は絶妙なバランスのうえで成り立っています。ここまで高い数字が並び、かつ実際に食べ合わせてみてもその相性のよさを実感できたのは「春の味の金麦」の繊細な設計によるところが大きいといえそうです。
22年、新しくなった金麦(※1は
「新・ていねい製法」でより麦のうまみが実感できるおいしさに。
また、季節の食と合わせておいしく楽しんでいただくために
今年も金麦は季節ごとに味を変えています。
2~4月頃はかろやかな春の味(※2。
春の味の金麦と春の食卓をお楽しみください。
※1)1月製造分より順次切替
※2)1~4月製造分までを予定。(製造スケジュールは変更になる可能性があります。)
今回の実験から導かれた春の旬食材×「春の味の金麦」の相性を、是非ご自宅でも検証してみてはいかがでしょうか。
鈴木隆一RYUICHI SUZUKI
AISSY株式会社代表取締役社長、慶應義塾大学大学院 理工学研究科 特任講師。味覚センサーレオ開発者。TVや書籍などを通して、味覚の知識を広めている。
http://aissy.co.jp/ajihakase/blog/