箸やすめコラム
酒の穴SAKENOANA
若手飲酒シーンを代表する飲み手であり酒場ライターである、パリッコとスズキナオによる酒の可能性追求ユニット。川面を眺めて酒を飲んだり、住宅街を散策したりするといった活動が中心。共著に『酒の穴』『“よむ”お酒』など。
パリッコ X @paricco
スズキナオ X @chimidoro
家飲み時間が増えた今、ビールなどお酒との「晩酌」の楽しみ方もきっと広がっているはず。そこで今回は、日々の晩酌タイムをあらゆる趣向を凝らして楽しんでいるユニット「酒の穴」こと、酒場ライターとして活躍するパリッコさんとスズキナオさんに、ふだんの晩酌スタイルや、「金麦晩酌」をするならどう楽しむ? など、晩酌を楽しむアイデアをたっぷり語っていただきました。
※感染対策を徹底した上でインタビュー・撮影を実施しています。
毎日の晩酌が何よりの楽しみと話すお二人に、ふだんの晩酌スタイルを尋ねると、「ゆっくり長く楽しむ」という共通の答えが返ってきました。
「僕は、その日の仕事を終えたらまず夕食前に軽く1杯。その後、家族と一緒に夕食を食べながら1杯。その後、子どもが寝てからは自分の部屋に移動して、好きな本や漫画を読みながらちびちびと。それほど量は飲まないけど、晩酌はゆっくり楽しむ派ですね」(パリッコさん)
「そうですね。僕は毎日夕方になるとスーパーに買い出しに行くのが日課なので、そのくらいの時間から、“どのお酒に、何のおかずを合わせようかな〜”って、頭の中でその日の晩酌プランを考えるところから始まります」(スズキさん)
夕食の献立とは別に、食材を切って混ぜたり和えたりするだけの簡単なおつまみを用意することも多いそう。この日はそれぞれの定番おつまみとして、スズキさんは「ちくわとキャベツのレモン風味サラダ」、パリッコさんは「お刺身の塩昆布和え」を作ってくれました。
「お、このサラダ、レモンが効いててさわやか! おいしいなあ」(パリッコさん)
「和えただけなのに昆布じめっぽい味になるんだ。簡単でいいですね」(スズキさん)
家での晩酌は自分のペースでゆっくりと楽しめる一方で、「変わり映えがしなくて飽きる」といった声もあります。日頃から家飲みの楽しみ方を探究しているお二人は、どうやって変化をつけているのでしょうか?
「僕もパリッコさんも、昔から外の空気を感じながらお酒を飲むのが大好きなんです。外に出かけなくても、自宅のベランダや窓辺に移動してチェアリング※するだけでも気分が変わりますよ。あとは、スマートフォンやPCで音楽を聴くことが多い時代ですが、あえてレコードを聴きながら飲んでみるのもおすすめ。例えば古いハワイアンを聴きながら飲むと、リラックスしたムードに浸れて楽しいですよ」(スズキさん)
「僕は家で過ごす時間が長くなったことで、“ひとり家飲みグッズ”が増えました。ひとり用の炊飯&保温ジャーや、旅館風情が味わえる陶板焼きのプレートとか。最近よく使うのは、行きつけの町中華のお店から譲り受けた食器やコップ。定番のおつまみをこれにのせると、お店で食べる雰囲気が味わえていいんですよね」(パリッコさん)
最後に、お二人にイメージを膨らませてもらい、金麦と晩酌のシーンを提案いただきました。
「金麦は上質な印象があるので、サクッと飲むのはもったいない。いつもよりちょっとだけいい食材やアンテナショップで見つけた地域の産品、好きなお取り寄せなど、何か特別なものを一つでいいから用意して、じっくり、ゆっくり味わいたいですね」(パリッコさん)
「しっかりと麦のうま味を感じられながらも、食事の味も邪魔されず楽しめそうですね。僕だったらまずは好物のシュウマイと楽しみたい。
あとは、毎年この時期になると山形から取り寄せる新鮮な山菜とも相性がよさそう。そして春は、やっぱり外の空気を感じながら飲むのが最高においしい! 」(スズキさん)
いかがでしたか? 飲む場所、食器や道具、耳に入るBGM、こだわりの食……試してみたい個性的なアイデアが次々にあふれ出るお二人の晩酌談義。
さあ、この春はかろやかに仕立てた金麦とともに、いつもの晩酌をアップデートしてみましょう!
「豆腐」(パリッコさん)
写真は、絹豆腐に大葉、塩昆布、あげ玉、ごま油、めんつゆで作ったパリッコさん特製の“黄金比たぬきやっこ”。
「宝塚歌劇団」(スズキナオさん)
元々は妻の趣味だったが、気づけば晩酌をしながら夫婦でCSチャンネルやDVD鑑賞するほどハマっていた。推しは宙組。