箸やすめコラム
峰尾豆腐店MINEO TOFUTEN
昭和33年(1958)の創業以来、「するさしのとうふ」として地元の人はもちろん、遠方から訪れる観光客にも親しまれている老舗豆腐店。高尾山系の良質な地下水と主に秋田県産国産大豆にこだわり、昔ながらの製法で作る豆腐は、大豆のふくよかな甘みとほどよくやわらかな食感が特徴。工場併設の直売所のほか、JR高尾駅北口隣接のカフェ・ichigendoなどでも販売している。
HP: http://www.mineo-tofu.com
【ご協力いただいたお店】
・高尾食堂 あめとつち Instagram @ametotsuchi
・山籟(さんらい) Instagram @sanrai.uratakao
本格的な冬が間近に迫ってきました。だんだんと寒さが増すこの時期に食べたくなるものといえば、そう、お鍋!
寄せ鍋、水炊き、キムチ鍋などさまざまなお鍋がありますが、あらゆるタイプのお鍋の具材として欠かせないのが「豆腐」。
年中身近にある豆腐ですが、実は冬が旬であることをご存知ですか? 豆腐に使う国産大豆は主に秋〜冬にかけて収穫され、その後しばらく寝かせて余分な水分を飛ばします。こうして味と成分が凝縮した新鮮な大豆を使った豆腐が冬場から出回る、というわけです。
そこで今回は、旬食材であり、お鍋に欠かせない豆腐をおいしく食べるコツを知りたいと、東京・高尾で地下水にこだわって昔ながらの豆腐を作り続ける「峰尾豆腐店」を訪問。店主の峰尾勝(まさる)さんをはじめ、峰尾さんの豆腐を使っているご近所の飲食店、ヴィーガン料理「高尾食堂 あめとつち」の小久保さんと、ジビエ料理「山籟(さんらい)」の齋藤さんにもご協力いただき、「冬の味の金麦」がすすむ豆腐が主役のお鍋を教えていただきます!
※感染対策を徹底した上でインタビュー・撮影を実施しています。
「わが家では、もっぱら冬は湯豆腐ですね」と話すのは峰尾さん。峰尾家では湯豆腐にも地下水を使い、刻みネギやおろしショウガ、ユズの皮など、薬味をたっぷり用意して食べるのが定番だとか。
「土鍋に水と昆布を入れて30分ほど浸し、弱火にかけて煮立ってきたら、6〜8等分に切った豆腐を崩れないようそっと出汁に入れて、弱火のままあたためます。豆腐は煮すぎると食感がかたくなるので、さっとあたためる程度で食べるのがおすすめです」(峰尾さん)
ちなみに、絹ごし豆腐と木綿豆腐、どちらがお鍋に合うのでしょうか?
「作り方の違いによる食感の差なので、それはお好みでいいと思います。たとえば、味つけした出汁ごと楽しむ寄せ鍋やおでん、すき焼きなどの場合は、製造過程で水分を絞った木綿豆腐の方が煮崩れしにくく、味が染み込みやすいという特徴はあるかもしれませんね」(峰尾さん)
続いて2品目は、高尾食堂 あめとつち・小久保さんが、自宅でご家族と楽しんでいるという「豆乳鍋」。峰尾さんの作りたての豆腐と濃厚な豆乳で作ると、市販の鍋つゆの素とはひと味もふた味も違う、大豆の風味と甘みを存分に感じられる、クリーミーでやさしい味わいになるのだそう。
「ベースは昆布と具材の鶏団子から染み出すあっさりとした出汁。まずはその出汁で野菜や肉類を煮て、全体的に火が通ったら、最後に豆腐と豆乳を入れるのがポイントです。豆乳は沸騰させるとモロモロとお鍋の中で分離してしまいます。煮立たせないように弱〜中火であたためて、仕上げに塩で味をととのえます」(小久保さん)
このまま食べてもよいですが、小久保さんはここに薄くスライスしたニンジンやカブの葉などの生野菜を加えてさっと火を通したり、手元の取り皿でポン酢やゴマを加えたりして、彩りや食感、味の変化を楽しんでいるといいます。
「出汁と豆乳と塩だけのシンプルでやさしい味付けなので、スープまで丸ごと味わえます。トッピングの生野菜はシャキっとした食感が多少残ったままでも意外と合うので、ぜひ試してみてください」(小久保さん)
最後は、山籟の齋藤さんがまかないとして作るという「麻婆鍋」。お店で作る〈鹿肉のミートソース〉に、豆腐を加えてコクのある麻婆豆腐を作ります。(ご家庭では普通のミートソースを使ってOKだそうです)
これをお鍋のソースとしてかけながら食べるという、斬新なアイデア!
「最初はいわゆる寄せ鍋として食べて、途中から麻婆ソースをかけると、一つの鍋で二度楽しめます。ラーメンやさんで麻婆麺を食べた時、鍋でもやってみようと思いつきました。
絹ごしのなめらかさと木綿の凝縮したうま味、両方をいいとこどりした峰尾さんの豆腐は、お鍋や麻婆豆腐はもちろん、あらゆる料理に重宝しています」(齋藤さん)
ジビエならではのコクのあるうま味とともに、豆腐をたっぷり味わえるボリューム満点のお鍋。ソースにした麻婆豆腐はミートソースベースなので辛みがなく、子どもから大人まで一緒に楽しめる味わいです。
具材としてだけではなく、スープにソースにと変幻自在にお鍋になじむ、豆腐の懐の深さを実感した今回の取材。いつものお鍋の豆腐にちょっとだけこだわってみると、また新しい楽しみ方ができそうです。
さあ、この冬は豊かに仕立てた「冬の味の金麦」と、さまざまな具材のうま味・甘みが詰まったお鍋を囲んで、体の芯からあたたまりましょう!
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