箸やすめコラム
管理栄養士園部裕美HIOROMI SONOBE
管理栄養士、スポーツ栄養コンサルタント、予防医学士。病院栄養士や飲食店など、食と栄養に関わる様々な経験を積み、2013年発足の陸上実業団チームの専属栄養士に。以降、アスリートの合宿や遠征に帯同しサポートするかたわら、セミナーやワークショップで予防栄養について伝える。また発酵食品にまつわるワークショップも行っている。
年末年始の休暇が終わって、新しい一年が始まりました。
フレッシュな気分とは裏腹に身体が重い……
そんなお正月明けだからこそ気をつけたい食事のことを教えてもらいました。
今こそ食習慣を見直して、身体を整えるチャンスです。
年末年始には、いつもと違う内容や時間帯の食事が続き、いつもの日常に戻るとなんだか身体が重い。
お正月明けは、そんな“正月太り”に悩まされます。
「でも脂肪がつくまでには実は2週間かかるんです。
つまり“正月太り”は実際に脂肪がついたのではありません。
体重が増えたり、太ったように感じるそれは、主にむくみです。
年越し蕎麦におせち、餅、お酒と、年末年始に食べるものは糖質が多く、タンパク質が不足しがちです。
糖質は水分を抱え込むのでむくみやすくなります。
タンパク質が足りないと代謝が落ち、冷えてむくみます」
教えてくれたのは、アスリートの食事指導も手がける園部裕美さん。
今回は園部さんに、お正月明けの今、どう食事に気をつければ身体を整えることができるのか教えてもらいました。
1. 主食は小麦粉製品より米
正月太りの原因を踏まえて、早速、食習慣を見直してみましょう。
でも、ストイックなダイエットや食事制限は続かないし、リバウンドの危険もあります。
だから、いつもの食事の中で、無理なく続けられることを。
少しの変化でも、効果は十分期待できると言います。
「まず、糖質を抑えたいのですが、主食の炭水化物を抜くと食事が物足りないですよね。
なので、主食をがまんせずに、賢く選べばよいのです。
何を選ぶかと言うと、小麦粉より米。
小麦粉はむくみを引き起こしやすく、また、パスタやラーメンなどは単品でつるつるっと食べてお腹いっぱいに。
つまり、炭水化物=糖質ばかり摂ることになり、タンパク質やビタミンが不足がちです。
ごはんは、おかずと組み合わせて食べるので、栄養バランスのとれた食事になりやすいのです。
ごはん自体に食物繊維も豊富です。
どうしても麺類やパンが食べたいときは、チキンや卵の入ったサンドイッチや月見うどんや鴨南蛮そば、パスタなら魚介や肉類がたっぷりのソースなどタンパク質の入ったものを選びましょう」
2. おかずはしっかりタンパク質
次に、不足しがちなタンパク質、どれくらい摂れば良いのでしょう?
「1日に摂取すべきタンパク質の量は自身の体重と同じ数字のgと言われています。
体重50kgだったら50gということ。
そして、50gのタンパク質を摂るには、卵なら約10個、納豆なら約10パック。
肉や魚なら約250gが目安です」
毎朝卵を食べているから十分、と思っていたら、実は足りていないのかも……?
「卵や納豆は補完的に食べ、肉や魚でタンパク質を摂取するのが効率的です。
ダイエットや身体を整える食事というと肉や魚を敬遠する人が多いですが、肉や魚には、タンパク質だけでなく、ビタミンやミネラル、鉄分など、タンパク質をエネルギーに変える時に必要な栄養素もしっかり含まれているんです。
タンパク質不足の正月明けに、ダイエットと称してサラダばかり食べるのはおすすめできません。
芋類や炭水化物などの糖質はなるべく抑えながら、むしろ肉や魚をしっかり食べて、タンパク質とビタミンを同時に補給し、代謝のいいカラダを作りましょう」
3. おやつは糖質を抑えてタンパク質を補給
食事内容を意識するようになったなら、間食も上手に活用しましょう。
甘いものはがまんして、かわりに賢いおやつを。
糖質控えめでタンパク質の多いものがおすすめです。
「たとえば、チーズ、ヨーグルト、ゆで卵に豆乳。
おつまみ系のアーモンドフィッシュやくるみ、スルメや昆布なども良いですね」
また、日々何げなく飲んでいるドリンク類も意識して見直すチャンスです。
「飲料は噛んで食べる固形物よりも吸収が早く、よりビタミンやミネラルが消費され、血糖値が上がりやすい、つまり太りやすいので気をつけたいもの。
常飲するなら本当は水や白湯がベスト、物足りないというのであれば、
糖質の入っていないお茶類でもOKです。
アスリートにもよく言うのですが、食習慣を変える時、1~2週間も経てば身体が慣れてきて自然とそれを欲さなくなります。
甘いものが欠かせないという人は、習慣を変えるチャンスですよ」
普段、アスリートの食事指導をしている園部さんですが、アスリートでない人にとっても食事は大切だと言います。
「彼らは良いパフォーマンスを発揮し、選手生命を長く保つためにという目標を持って、食事にも気を遣っています。
実はよく怪我をする選手は、食事に問題があることが多いんです。
アスリートではない人も、疲れやすいとか肩が凝るとかの不定愁訴が多い人は食習慣を見直すことで改善に繋がります。
お正月明けの今をきっかけに、食習慣を改めて、より快適な身体を手に入れてもらえたらと思います」
You must be of legal drinking age to
enter this site.このサイトにはお酒に関する情報が含まれているため、
20歳以上の方を対象としています。
誕生年月日を西暦でご入力下さい。
By entering this website, you are agreeing to our Terms and Conditions, Privacy Policy, and Cookie Policy.閲覧することにより、利用規約、プライバシーポリシー、および Cookie の使用に同意したことになります。